フレンチ/全国のフレンチ

ラ・サンテ(札幌)(2ページ目)

北の大地、札幌。北海道の食材をふんだんに使った料理は単に素材だけではなく、間違いなく料理人の気持ちと技術のたまもの。わざわざ食べに行くべき料理の数々をご覧下さい。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

アスパラ
なんとも贅沢なピクルスだ

ホワイトアスパラ

この日は電話で予約の際に「すべて地の季節のものでぜひ」リクエスト。その真意をどう汲んでいただくかは当日のお楽しみなのだが、とにかくアスパラと道産羊尽くしのディナー!だった。

まずは安平町は八木氏の生産するホワイトアスパラのラッシュにもまれなくてはならない。
・ピクルスとフルーツトマト
・冷製スープとオマール海老の香りのジュレと生うに
・茹で上げ牡丹海老とホタテのクネル
・塩釜焼き

さあ、息つく暇もないほどのアスパラフレンチの洪水だ。

スープ
自然の調和が込められた逸品
ピクルスは上品さを絵に描いたような繊細なヴィネガーの味わいにアスパラのエキスが絡まりこれをピクルスと呼んでいいのかなんなのか、表現も滅茶苦茶だ。どう食べたか覚えていないが一瞬で胃袋に収まったことだけは間違いない。

二の矢はスープだ。うーん、表現する言葉を絞り出すしかない。広い大地、澄んだ空気、そして透き通る水。これらが満遍なく料理に込められ、素材の本質を料理人の技術を介して下界に送り出す。

そこに居合わせる私達の偶然、そして幸せ。

ホタテ
脇役素材がさらにアスパラの旨みを引き立てる
次は、ほんのりと茹で上げられたアスパラに添えられたホタテのクネル。大地と海が一緒になる一皿から沸き立つ力に食への欲望は限りなく全開モードに突入だ。

アスパラの〆は岩塩包み。なんと贅沢な料理ではないか!私達のオヤジトークはすべて中止となり、取り分けをして下さるシェフに手さばきに視線が釘付けになる。ガリッ!!と岩塩が割られ、同時に香りがふわりと沸き立つ。そうか、香りもご馳走の一部に違いない。香りはテーブルを包み込み、ここだけがちょっと特別な空間。割られた奥から白い恵みが恥ずかしそうに顔を出す。加えられたというより包まれた味の出現に一同沈黙、そして感動。

フランス料理
シェフ自らのパフォーマンス
これらすべてが前菜だ。ということはメインのパレードが始まるのはこれからだ。
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