フィンランド出身の37歳 |
ニースの一つ星
2008年も始まったフードフランス。3年目に突入できた最大の理由はフランス料理が好きな方に予想以上に受け入れられたからに他ならない。ご年配の方、若いご夫婦、ファミリー、ビジネスでの利用までフランス料理の「今」を知るために足を運んだゲストに少なからず満足をもらたした訳だ。何といっても東京は世界一のグルメ都市。そして世界一グルメを語る方が多い都市で、高いレベルで賛否両論をもたらした功績は認められるべきである。さて、フードフランス08-09の第2回は南仏ニースからやってきた、レストラン「レゼルブ」のシェフ、ヨウニ・トルマネンだ。1971年生まれのシェフはフィンランドの出身。地元の調理師学校在学中にポール・ボキューズのVTRを見てフランス行きを決意したという。真冬の1月に初めてニースを訪れたときに、その暖かさに驚きキャリアのスタートは南仏からという思いを強くしたようだ。フィンランドの一月は夜の長い暗い季節だ。彼は南仏の暖かな陽射しを浴び、物凄く気持ちが昂ぶったと聞く。
仕込みの現場は緊張感が漲る |
06年にミシュランの一つ星を獲得し、翌年に海岸沿いにある19世紀の歴史的建造物に移転。一度は星を落としたものの、08年には再び星を獲得。実際に会った印象も、非常にエネルギッシュで底抜けに明るいナイスガイだ。
当然ながら慣れぬ厨房では細かなところに神経を行き届かせ、スタッフの仕込み具合を厳しくチェック、そして指導する。様々な素材が機能的に配置され、これから始まる初日のデジュネに、厨房内は緊迫の瞬間が連続する。