Vapeur de bar a la truffe,petites ravioles”Mezzaluna” |
地中海がすぐそこに
■鱸のヴァプール トリュフの香り 小さな半月形のラヴィオリ“メッツァルーナ”素材、組合せ、そこにシェフの創造性と驚きを加わえた、これぞ現代フランス料理の味。この料理で地中海を表現していたとしたら驚きだ。キャラメリゼしたオニオンは小さなヨット。トリュフのラヴィオリはクルーザー。そして身の厚い鱸は蒼い海に浮かぶ豪華客船といったところか。目の前の料理の先に、かつて10日ほど滞在したボーリュー・シュール・メールの海を思い出す。花屋を営んでいた友人のアパートメントのテラスから見える風景がいま、トロワグロによって日本で再現されているのだ。
トリュフのラヴィオリは反則技だろう。口の中で爆発し、すべての料理の記憶を消し去るくらい麻薬ともいえるトリュフの味わいが流れ落ち、体と気持ちを溶かしてゆく。
Poitrine de cochon croustillante, mangue verte et chou chinois |
この料理の写真はアップで撮らねばいけないと思った。ごらんいただきたい、この皮の焼色を。歯に着くようにねっとりと味覚を刺激する豚の香りと味わい。比較的ライトに仕上げられたソースは自分で皿に拡げていく。最後にこの料理を仕上げるのは自分だというのも悪くはない。若いマンゴーの爽やかさがいいアクセントとなり料理全体を引き締める。
ソースは自分でお好みの量を。 |
都度料理にあわせたワインがサービスされたが、ここではジブリー・シャンベルタンのクロ・デ・ラ・ジャスティス。程よく熟成したピノノワールが完璧なマリアージュをさらりと演出する。
ここまできたらデザートで盛り下がることは許されない。甘いものは甘く、酸っぱいものは酸っぱく。一つひとつの「作品」が複数連なることにより味わいはより印象的な建築物のように形作っていく。
デザートでもう一段深い味わいの世界に入っていく。 |
これだけ食べても満腹感がいつもと違うことに気付く。理由は簡単だ。手の込んだソースは実に軽やかに作られているからだ。素材は新鮮で高品質なものを組合せにより魅力をより引き出ししている。素顔が綺麗な女性にほどよく化粧を施し、そこに似合うシンプルなドレスを着せてネイルやアクセサリーにも注意を払う、そんな印象だ。
グラスワインの種類も豊富 |
それなりのお値段を払う価値のあるレストランがフランスから新宿にやってきたことを素直に喜びたい。
住所:東京都新宿区西新宿2-7-2
交通:JR新宿駅 徒歩9分
地下鉄丸ノ内線西新宿駅 徒歩4分
都営地下鉄大江戸線都庁前駅 A7出口 徒歩1分
予約:03-3348-1234
営業時間:
L:11:30~14:00
D:18:00~21:30
水休(5月~10月)
ドレスコードあり
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昨年3月に女性のためのグルメ情報ガイド、河野優美さんがお書きになった記事はこちら