フレンチ/東京のビストロ

ビストロ・ダルテミス(代々木)(2ページ目)

北参道に近い一角に現れたビストロの新星。賑やかで楽しい空間を支えるのはシャルキュトリ(豚肉や内臓などを使ったソーセージやハム、テリーヌなど)といったフランスの伝統的郷土料理の数々だ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

ガルビュ
ほっとするガルビュは暖かくそして長い余韻が楽しめる

実に魅力的なメニューの数々

11月の開店前のパーティーは、おびただしい数のゲストが入れ替わり立ち代り訪れ、それはもう賑やか以外の何物でもない雰囲気が充満していた。

ファッショナブルで、センスのいい女性客が非常に多かったのは場所柄なのだろうか。混雑する店内でもお互いの席を譲り合い、食事にも殺到することなく、センス良く盛り付け、長居せずにスマートに立ち振る舞うゲストが多かったことは、この時代驚きに値する。レストランは良質な客が作っていくものというようによく言われる。素晴らしいゲストに恵まれているのは、一号店レストラン・ラルテミスがきっとそうであったからに他ならない。

野菜と生ハムのスープ(ガルビュ)は、それはコムアラメゾンのそれを思い出させる、この季節ほっとする暖かな料理。スープと言っても白いんげん豆やハムなどをかなり煮込んでトロトロ感を出している。飲むと言うより食べる一皿だ。

白身魚のクネル
ぜひ一度味わってみたい白身魚のクネル
リヨン風お魚のクネル、ピスク仕立ては白身魚やホタテなどをムース仕立てにして軽く焼き上げ、それを魚のスープで煮込んだ料理だ。蒲鉾のような食感を楽しめるこの料理、日本ではあまり見かけることがない。やや塩加減が強いものの、これはアルザスのワインと合わせると不思議と気にはならない。いや、それどころか、魚のスープなどと気持ちよく絡み合い、ワインはぐいぐいと進むことだろう。

フレンチトーストにミルクのパルフェを添えたデザートはこれぞ、ビストロのデザート!というボリュームだが意外とあっさり胃袋に収まってしまう。赤ピーマンのクリームブリュレも面白い。赤ピーマンの風味が出過ぎないように、そしてクリームも甘くなりすぎないようにバランスを取って仕込まれている。

実に魅力的なメニューが並ぶダルテミスの食卓。そんなカウンターの片隅で一人静かに夕食を取っているオーナーの姿がある。

デザート
素朴な美味しさが非常に印象に残るデザート
ラストオーダーは深夜1時。今年の大晦日は深夜2時まで、元旦は朝10時から翌深夜2時までの営業とある。年末年始に楽しめる数少ないビストロだ。

BISTROT D'ARTEMIS
ビストロ・ダルテミス

東京都渋谷区千駄ヶ谷4-5-11 ビクトリアプラザ1F
地図
TEL/FAX 03-5770-7155
営業時間:ディナー 17:00-25:00(L.O.)
定休日 :火曜日
●全席禁煙●テラス席は喫煙可
●年末年始の営業日●
12/31(日) 17:00-25:00 特別営業
1 / 1(月) 10:00-26:00 特別営業
1 / 2(火)~ 1 / 9(火)は休み
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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