フレンチ/東京のビストロ

シェ・オノ(中野)

92年から続く小さなビストロ、シェ・オノ。寡黙なシェフと底抜けに明るいマダムを慕うファンは多い。フレンチテイストが滲み出る究極の洋食メニューは今も健在どころかますます深くなっていく。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

中野
細い路地が楽しい街、中野

大好きなグルメタウン中野

中野は今も思い出の街。かつて勤めていた会社が中野にあり、約12年間通勤した街でもある。特に北口から東側の路地は細く入り組み、提灯や暖簾、そして美味しい香りが昼夜深夜と途切れることがない。車も通ることのできない位の狭さだが、食いしん坊やのん兵衛が歩く分については車がいないのはとても心地よい。

当時よく通ったのは和食のぶん也、天ぷらの天米、刺身の第二力酒蔵、レトロ感溢れるつくば寿司、そして今回ご紹介するビストロ、シェ・オノだ。92年に開店し、近くへの移転を経て今年でもう14年という時間が経つ。

ビストロと言ってもいろんなスタイルがある。ブノワ(青山)のような高級ビストロ、ビストロミカミ(中目黒)のようなカウンタービストロ、コンコンブルのような繁華街にあるお気軽ビストロ、そしてシェ・オノのような地元の商店街に息長く根付くビストロ。いずれもアクセスが良く、予約しなくても席が空いていれば気軽に食事やワインを楽しむことができるのが特徴だ。メニューもフレンチというジャンルにがんじがらめになっているのではなく、それぞれの店の特徴を活かしながら、イタリアンやスペイン、そして広くヨーロッパや地中海沿岸全体にまたがる料理を用意しているところが多い。

思えば1997年からワインブームが始まった頃、仕事中だろうがなんだろうがワインの本を読みあさり、夜はワインがしっかり楽しめるレストラン、ワインバーを探して出掛け、今思えば恥ずかしくもいっぱしの薀蓄を語る毎日だった。

その当時、ワインの持込が出来る店を探しては仲間内で飲み歩いていたのだが、シェ・オノのご主人はその点非常に寛大で、今思えば多くの我侭を聞いてくれたのである。(今はよほど特別なことがない限り持込はやらない)
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