ビストロカトリ（田原町）

下町の正統派ビストロ

東京は浅草近くの通称「合羽橋」。ここは実に楽しいところだ。ラーメン屋さんだ!!と思って中に入ると、そこはラーメン店を開店するために必要なものがすべて揃ったところであったり、蕎麦屋さんだ、と思って入ったら、とにかく蕎麦を作るのに必要なものだらけだったり。要は飲食店を開店する、もしくは必要なものがすべて揃った商店街が合羽橋なのだ。

デザートを作るための機材専門店、お皿の専門店、包装紙の専門店などなど、ないものがないくらいバラエティに富んだその街は、食べることが好きな方には一度行ってみる価値があるかも知れない。子供を連れて行くのも楽しいだろう。違った角度から新しい発見があるかも知れない。

合羽橋は駅で言うと東京メトロ銀座線の田原町が近い。田原町交差点近辺は仏壇屋さんや和菓子屋さんが軒を連ね、下町商店街風情が非常に心地良いところでもある。

落ち着いたモダンさを感じる外観だ

さて、ビジネスのアイデアが煮詰まって頭がぐにゃぐにゃになったとある夕方、私のメンターでもあるトムサトウ氏と「たまには男同士サシで飯でも喰おう」ということで出かけたのがビストロカトリだ。ちなみにそのトム氏、かつてはバーゲンアメリカというコスメ通販会社をシリコンバレーで立上げ、そのサイトの中でワインに関するマガジンを書かせてくれた、いわゆる「ものを書くというきっかけを与えてくれた師」。そしてその後東京IPOを立ち上げるなど日米をまたにかけた企業家として成功も失敗も数多くこなした稀有な方でもある。

さて、そのビストロカトリ、菊水通は交番の角近くに正座をするように佇むその存在はでしゃばらず、目立たず、でもここは一体どんな料理を出すのだろうかという雰囲気が漂う。「ここはちょっと違うぞ」と直感的に感じさせる何かがあった。