食の感動とはこのことか。。。 |
これまで食べた中で最高のメインディッシュ
実に繊細に、そして精密に組み立てられた料理の数々に私は正直表現する言葉を忘れる。すべての料理が素材とソースが複雑に絡み合い、口に含んだときに何とも表現し難い気持ちの昂ぶりに包まれる。彼は、料理はお客様に感動をもたらすものでなくてはいけない、と語る。その感動とは五感すべてにすーっと迫ってくるものだ。前菜のアスパラガスとオレンジソース。様々なソースとアスパラの甘さ、苦さなど味わいが交差し、そして食べ終わる頃には一つに纏め上げられた余韻にしばし浸る。ビジュアルに食欲が刺激されるオマールと細かな野菜のマリアージュに五感は刺激され、カプチーノ仕立てのクリームスープはしばしほっとする余韻の長さを感じる。圧巻は小鳩のロースト。ナイフを入れ、噛み込んだ瞬間にこれまで食べたすべての肉料理の記憶が消され、リセットされた。これは初めての経験と言っていい。一体どうしたらこんなに美味しい肉ができるんだろう?
林檎のピュレは優しい味わい |
というように料理、そしてそれを引き立てるサービス陣や厨房のスタッフ。そしてレストランを文化と捉える株式会社資生堂の変わらない考え。すべてが高いレベルで融合する。冷前菜を担当する山本栄千夫氏もこの一年でシェフの考
若いスタッフのエネルギーも充満するキッチン |
冒頭にも書いたが、シェフへのインタビューの最後に、比較されることへの苦労を聞いてみたのだが、答えは極めて自然なものだった。
「だって、いつの時代もそうじゃないか。名のあるシェフの次に入って比べられることは仕方ないし、最初はいろんな面で難しいこともあるさ。でもスタッフの意見を真摯に聞き、それによってより良いものに変えていくことはとても大事なことだ。自分のスタンスやスタンスを変えずにね。考え方が伝わっていなければ繰り返し繰り返し話すことだ。」
とてつもない意志の強さと、そしてファンキーで明るい人柄を併せ持つ料理人ブルーノ・メナール。
改めてフランス料理ってほんとうに素晴らしいものなんだと気付かせてくれたことに一顧客として感謝したい。
偉大な料理人との比較の時代は美しさをもって過去となり、ロオジエはブルーノ・メナールと共に次の新しい時代にゆっくりと時を刻み始めた。
濃厚だが上品さも併せ持つショコラの味わい |
レストラン ロオジエは1973年に銀座中央通りの旧資生堂パーラービル内に、高級西洋料理店として開店。店名はフランス語で柳を意味する。1986年にジャック・ボリーをエグゼクティブシェフとして迎え、本格的なフランス料理店として生まれ変わる。1999年10月、銀座は並木通りに移転し、リニューアルオープン。2005年7月にジャック・ボリーは引退し、ブルーノ・メナールがシェフに就任、現在に至る。
■ロオジエ
東京都中央区銀座7-5-5
地図
電話:03-3571-6050
営業時間:ランチ 12:00~(LO 14:30)コース¥6000円~
ディナー18:00~(LO 21:30)コース¥18000円~
*アラカルトも多数
定休日:日
ロオジエのホームページはこちらから