フレンチ/東京のレストラン

ロオジエ(銀座)(2ページ目)

ブルーノ・メナールが厨房に立つ銀座フレンチ、「ロオジエ」。圧倒的な存在感はレストランを文化として捉えるその姿勢だ。全ての調和が取れた日本を代表するレストランはハレの日にぜひ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

資生堂
オマールの食感は今も記憶に残るほどだ

ネオ・クラシック

78年にナントのル・ドメーヌ・ドルヴォーでの修行からキャリアをスタートさせ、85年にはトゥールの名店シャルル・バリエで、そしてその後同じトゥールのジャン・バルデでオープニングからスーシェフ(シェフの下で働く最も重要な立場)として仕事をすることになる。この頃が料理人としてキャリアを伸ばす大きな基礎になった彼は語る。

そして1995年ブルーノ・メナールは日本にやってきた。六本木に開店した劇場型レストラン、タトゥー東京のシェフとして。しかし、日本で仕事をする環境に慣れた頃、彼はリッツ・カールトン大阪のエグゼクティブシェフに抜擢される。(不思議な縁だが、私は当時タトゥー東京でも大阪のラ・ベでも彼の料理を食べていたのだ)その後2001年にはアトランタのザ・リッツ・カールトン・バックヘッドのメインダイニングのシェフとして数々の賞(全米自動車協会が格付けする最高ランク、モービルトラベルガイド5つ星など)を受けて、全米でも最も注目を浴びるシェフとして評価されるに至る。

ちょうどその頃引退が囁かれていたジャック・ボリーの後任探しが始まっていた。数多くのフランス人料理人の中から選ばれたメナールではあるが、最終的には彼がロオジエを選んだと言っていい。

彼は自身の料理のスタイルをこう語る『料理のスタイルはエスコフィエの伝統的な料理法に着想を得た「ネオ・クラシック」と呼ぶもの。しかし素材と調理法については時代の嗜好に合ったモダンで斬新なスタイル。それはロオジエのモダンで優雅な美食の空間に相応しい。』

さて、料理に話を移そう。
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