フレンチ/東京のレストラン

ラブランシュ(南青山)(2ページ目)

20年に亘り軸のぶれない気品ある料理を作り出す、南青山「ラブランシュ」の田代シェフ。圧倒的な存在感に古くからファンも多い。レストランはやっぱり『料理だ!!』と実感できる数少ないところかも知れない。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

野菜
野菜料理にかけては都内随一だろう

高い技術の賜物か

小さな窓から垣間見える厨房の動きも実にシステマティック。ひとり一人が何をすべきかシェフから厳しく叩き込まれていることがよくわかる。だいたいにおいて厨房の動きを見ればそのレストランがどんなところかおおよそ見当がつくものだ。

この厨房からは現在の人気店となっているボンシュマンの花澤シェフ、ラルテミスの中田シェフなど調理人が何人も巣立っている。両店とも軸のぶれない信頼できる料理を出し続けている人気店。これは何をさておき、ラブランシュ、そして田代シェフの功績に他ならない。

シェフに直接話を聞いたわけではないが、「地道に、着実に、いつもどおりに」という印象を強く感じる。

渋谷
丁寧に、そして大胆に盛られる料理は強く印象に残る
素材重視という言葉をよく聞く。しかしいくら無農薬の野菜を使おうと、料理として姿を変えて供される以上、料理人の技術がすべてだ。野菜の調理方法、組み合わせ、見せ方、塩加減、ソースなど一つひとつに素材の持ち味とどう絡めるか、といったことが高いレベルで要求される。さらに安定して供給してくれる野菜農家ときちんと契約できているということも含めてすべて料理人の技術と言っていい。これは簡単そうでかなり難しいことは、私のつたないレストラン経営経験からみても明白だ。

サービスにあたる岡部氏も長く勤めている方だ。ワインのセレクションはさり気なくこだわりが見られるが、決して押し付けられることがない。彼になら好みと予算を言って安心して選んでもらえるだろう。

先日料理通信社のパーティーで田代シェフをお見かけした。コックコートからジャケット姿になっていたが、圧倒的な存在感に加えて親しみ易さも垣間見えた紳士そのものであった。

感情を押さえて淡々と書いては見たが、ぜひ訪れるべきだと言える数少ないレストランである。

デザート
デザートはシンプルながら味わいは広く深い
ラブランシュ
東京都渋谷区渋谷2-3-1青山ポニーハイム2F
03-3499-0824
Lunch 12:00~14:00LO
Diner 18:00~21:15LO
水曜、第2火曜休
昼 コース3600円、4800円、6000円
夜 コース7000円、1万円
地下鉄半蔵門線表参道駅B1番出口より徒歩7分
地図
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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