フレンチ/東京のレストラン

仏蘭西厨房かえりやま(溜池山王)

派手さとか話題性とは無縁の、実に誠実で、ゆとりと余裕が感じられる落ち着いた料理が楽しめる「かえりやま」。伝統的な美味しいフレンチをじっくり楽しみたいときにはかなりお薦めです。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

溜池山王
小さくまとまった店内は淡いトーンの色合い

小さなダイニングから感じる余裕

11月23日(祝)。午前中三軒茶屋での仕事を終えて赤坂のオフィスへ向かう。赤坂駅に着いたのは11時半頃か。どこかで昼飯でも思って浮かんだのが今回の仏蘭西厨房かえりやまだ。千代田線赤坂駅から溜池山王近辺はフランス料理店が非常に多いエリアだ。シュマンコム・ア・ラ・ メゾン、オステルリー・スズキ、ホワイエなど等。かつてガイド記事で取り上げさせていただいたところも多いが、肝心要のレストランが抜けていたことに気がついた。

赤坂寄りの溜池エリアは一つ路地を入ると塗り壁の料亭が未だ軒を連ねる。昼間は必ず渋滞する通りに面するビルの二階に「かえりやま」があるのだが、そのロケーションは比較的わかりやすいだろう。それは幸か不幸にも近年闇雲に増殖しているジンギスカン屋さんが目印となる一階にあるから。

話はそれるが、切って焼かせるだけのジンギスカンに目をつけたビジネスが東京中を席巻していて、それはもう北海道出身者から見たらまるでいかがなものかと首を傾げたくなるものばかり。永く店を続ける意思など感じられない店舗にはビジネスの一瞬的繁栄はあっても食文化とはまったく無縁の世界が存在している。かつてのモツ鍋ブームの二の舞になることはまったくもって明白だ。

さて、そのビルの二階に小さくはためく仏蘭西国旗。22席ほどの小さな空間は全席埋まるときっと窮屈さを感じるかも知れない。しかし最近リニューアルしたせいか壁も床も新しく、席に着くと意外に新鮮な余裕というか落ち着きを感じる。
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます