赤坂
野菜一つひとつにしっかりとした味わいが

クリスマスにこそ誠実な料理と向き合いたい

野菜を丁寧に仕込んだ前菜は、ボリューム感に乏しいものの一つひとつに味が染み渡り、丁寧な仕事振りが手に取るようにわかるもの。そこには余裕さえ感じられるのはシェフの長きに亘る海外経験から来るものなのだろうか。アルザスのピノブランは多分前々日位にバッセンされたものだろうか、味わいと香りのバランスがいいちょうどいい状態だ。
(ちなみにちゃんとしたワインは空気を抜かなくともコルクだけで1週間は持ち、必ずしも開けたてが美味しいというものではありません。)
さっぱりとしたヤリイカとの相性がシャルドネとのマリージュとは後味に残る甘みを伴い、一味違う味わいを醸し出す。ワインによって料理は様々な味わいを醸し出す。という意味ではこの料理にこのワイン!!という取り合わせはないと言える。

ワインリストにはルイ・マックスのメルキュレイなどがあったり、好きな人には面白いかもしれない。5000円程度で気軽なものが楽しめるだろう。

メニューを見る限り、奇をてらうことなくクラシック路線まっしぐら。しかし、気負うことなく自然なスタイルでアレンジされた料理の数々はすべて安心していただけるものばかり。お値段も4500円からと手ごろだ。

この日はランチだったが、メインの豚肩肉の煮込みは繊細さを感じる優しい味わい。思わずおかわり!!といいたいほど。ということは私には量が少なすぎたという訳だ。豚特有の味加減をしっかり残し、食感を感じるギリギリの硬さに煮込み、エシャロットの風味をきちんと活かして全体的なバランス感を保つ。デザートのキャラメル風味のフォンダンショコラも余韻の長い味わいだ。エスプレッソはきめ細かな泡立ちの非常に味わい深いもの。最後まできちっとしているところにシェフの凛とした姿勢を感じる。

クリスマス
優しい味加減でありながら記憶に残る美味しさ
これが若い料理人には出せない余裕というものなのか。

サービスの女性も親切丁寧。小さな窓から厨房がほんの少しだけ見えて、中のやりとりも耳に入ってくる。距離感もとても近いことがわかる。

シェフの帰山氏はフランス、アメリカ、カリブ海、韓国などで23年間に渡ってシェフを務めたと聞く。帰りがけに「メインが美味しくておかわりしたかったくらいです」というと「それはどうも」と。その優しそうな笑顔にはやっぱり余裕とゆとりがあった。

そろそろクリスマス。街にはイルミネーションが煌き、心ときめく季節がやってくる。カップルだらけの夜景が綺麗なレストランで特別な料理をいただくのももちろん悪くはないが、大人の街赤坂で帰山シェフの特別お任せ料理の方が、食だけの感動と捉えるとはるかに高いかも。日常の中にも非日常はちゃんと存在するものなのである。

最後にジンギスカンに負けるな、フランス国旗!! 

クリスマスディナー
エスプレッソも完璧!!
仏蘭西厨房かえりやま
東京都港区赤坂2-8-13 赤坂エメラルドビル2F
地図
03-3583-5610
11:30~14:00(L.O.14:00) ランチコース1800円~
18:00~22:00(L.O.22:00) ディナーコース 4500円~
夜サ10%
日休
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