フレンチ/東京のレストラン

【移転】ナルカミ(東銀座)(2ページ目)

南青山に移転。実力あるシェフなだけにこれからどう深化していくのかとても楽しみです。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

銀座
丁寧に仕込まれたパテのミルフィーユ仕立て

エレガントで余韻感じる料理の数々

フレンチの伝統的な手法に裏打ちされたクリエイティビティが伝わる料理の数々。北海道などの産地から選び抜かれた「素材」はシェフの技術を通して、皿の上で見事に「料理」として形を変えて彩を放つ。自然の恵みである素材が料理人の技術を介して料理になる瞬間にはたまらなく興奮してしまう。

ラビュットボワゼ同様、ちゃんとしたレストランなので、見せ方は上品ながら食べ進むと意外とボリューム感もあることに気付く。前菜のアスパラガスのスープ仕立ては抹茶のグラニテが添えられほのかなサプライズ感も十分だ。

迫力ある一皿と言うよりはエレガントな料理か。見た目ほど味わいが軽くはないのは仕込みに十分な時間を費やし、丁寧に仕上げているからだろう。単に繊細な料理と言う表現では語れない奥の深さも滲み出ていることが後味の長さに現れている。

写真のタイトル
抹茶のグラニテには驚いた!!
こうしたナルカミの料理は銀座のフレンチとして、開店直後の紆余曲折?を経てたどり着いた完成形なのか、それともさらに独自の料理を創作するための途中でしかないのか私にはまだわからない。でもいい方向に言っていることだけは確かだろう。

いずれにせよ、料理はコースであってもアラカルトであってもフランス料理の驚きと共に楽しさを感じるものであることは間違いないだろう。

サービススタッフが代わったばかりと聞いた。さらりとしたサービスといった感じだが、そのうちぐぐっと入り込んでくるのだろうか。どんなに高級店でも能面のようなサービスならサービス料は払いたくはない。客をどんどん笑わせて欲しい。相変わらずシャンパーニュはややぬる。プレステージキュヴェならともかく、普通のBrutならばきりっと冷やしていただきたいものである。ソムリエにワインの知識は要らない。ゲストを楽しませるための最低限のワイン講釈と間合い、そして楽しさがあればきっといい気分で酔えるだろう。

ハーブ
フレッシュハーブティーはおいしさの余り飲みすぎるとお腹がちゃぽちゃぽになっちゃいます
そうか、このレストランがもっともっと良くなるには「楽しさ」が必要なのか!! ということはまだ未完成なのか。でも銀座の高級フレンチに楽しさは必要か?確かマノワールダスティンでも同じことを感じたような気がする。僕は差し障りない程度にかまって欲しいのに。

そんなことをぶつぶつ勝手に考えながら銀座の街に戻った。

ナルカミ NARUKAMI
住所:東京都中央区銀座6-13-7 新保ビルB1F
最寄駅:東京メトロ東銀座駅より徒歩1分ですが銀座からも歩けます。
地図
営業時間:11:30-14:00LO 18:00-21:00 ビストロタイム21:00-24:00LO 
定休 日曜夜・月曜
TEL:03-6226-2225


なお、同じ並びにお気軽なビストロ、マリー・ジェンヌもあることも忘れずにいたい。もうちょっと飲みたいな、というときに気軽に寄れるビストロだ。
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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