フレンチ/東京のレストラン

【移転】ピエール・ガニェール(2ページ目)

【移転】ANAインターコンチネンタルホテル(六本木)内に移転。フレンチは芸術なのか、技術なのか、知性なのか、その問いかけは日本で今日始まったばかりなのだ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

青山
 
日本法人株式会社P.G.Japanの代表者である中川宏氏はもと三井物産マン。もちろん今日初めてお会いしたのだが、話をしているうちに、私の経営する会社の株主がロンドン駐在時代の上司だった!!などなど共通で知人が数名出てくる偶然があり、ぐぐぐっと距離が近くなった。しかし、さすが独立の気概に溢れる物産マンという方であった。

要は彼がピエール・ガニェールを口説いたわけだ。大手のデパートや様々な外食が彼のところに日参していたらしいが、ほとんど個人で口説いた中川氏はたいした方である。詳しい話はわからないが、義理人情的な攻勢で口説いたような気がするが。。。

今回日本でビジネスを立ち上げるに当たって非常にユニークなのは、中川社長個人の伝手で、このビジネスに共鳴する出資者を募ったということだ。グランメゾンの開店には相当の初期投資がかかるものだが、それを大手の資本を入れずにスタートさせたのは、個人的にも共感するところがある。ちなみに総支配人の本間氏はサントリーの海外飲食店ビジネスに携わってきた方。

青山
 
来春にはターゲットを絞り込んだ超個性的なウエディングも検討しているようでビジネスをしっかり見据えた展開の傍ら、ご自宅で眠っているいいワインを持ち込みそれに合う料理を創るといったことまで考えているようだ。

一見近づき難い哲学者風のガニェール氏、意外なほど気さくで話をするテンポも速い。日本進出が決定してから日本へ派遣すべき有能なシェフを育てるステップを十分に踏んできたという。パリから連れてきたシェフはオリヴィエ・シニョン氏とシェフパティシエのステファン・トランシェ氏の2人。若干27歳と25歳。日本とは大違いだが、あと数年すれば20代半ばでレストランのシェフとなる人材が出てくる時代が来るだろう。とにかくまだあどけなさが残る表情からどんな料理が繰り出されるのか、興味津々である。

最後にガニェール氏好きな日本の素材は「鮎」。芸術家らしい答えであった。

青山
 

ピエール・ガニェール・ア・東京
住 所:港区南青山5-3-2 南青山スクウェア(4F、RF)
開店日:11月29日(火)
席 数:4階のメインダイニング 82席
Rfは午後はデザートカフェ、夜はワインバー 40席
個室が2つあり
料 金:メインダイニングのランチ   7,350円
メインダイニングのディナー  17,450円と26,880円 
メインダイニングは禁煙、男性はジャケット着用。
10月下旬から予約受付開始とのこと

詳細はこちらから。

<重要なあとがき> 
ちなみにこのレセプションでは元「料理王国」の編集長、君島さん、坂西さん達もいらしていました。思うに唯一無比のまっとうな料理メディアとして君臨した「料理王国」はとんでもない事情により編集方針が大きく変わり、それに反対した「極めて有能で良識ある編集者達」は決定後即日全員が辞表を提出。今後新たなメディアを模索すべく新たな道を歩き始めたのです。次号の料理王国が彼女達が関わる最後の号となります。

その後の料理王国の編集方針には私は極めて悲観的にならざるを得ないのです。というか実に悔しい。

私はフレンチガイドとして、ひとりの食べ歩きが好きな人間として中立公平な立場に立っていた「料理王国」から有能な編集者達が抜けたことが残念でならないのです。

しかし、彼女達は確実に歩き始めています。私はできる限り応援していきたいと思っていますので、何らかの形で彼女達のことを取り上げたいと考えています。
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