基本的は以前のインテリアと同じ洗練されたもの |
融合する個性
内装は基本的に前店と同じ。エントランス先には一段高いところにウエイティングバーがあるが、なんとなく窮屈で、そのままダイニングに行ったほうが落ち着いたりする。料理長は同じく小玉さん。アンフォールで菊地シェフ(現在はブルギニオンのオーナーシェフ)の下でしっかり技術を身につけたその作風は誠実で謙虚、真面目なフランス料理の王道を進む。もとものはマノワール・ダスティン五十嵐シェフが源流であるが、フランスでの経験で技術はさらに洗練され、持ち味がやっと滲み出るようになったといっていいだろう。
温泉卵と新鮮野菜の見事なマリアージュ |
それに対してワインに関しては柴田氏の個性が十分に堪能できる。ワインリストをじっくり眺め、さまざまな思いをはせながら今日の一本にたどり着く楽しみはシュマンでしか味わえない快楽かも知れない。または予算を言う言わないはともかく柴田氏のお薦めのまま、繰り出されるワインに身を任せるかだ。どちらも刺激的で楽しいだろう。少なくても彼はブルゴーニュワインに関しては日本でも有数のキャリアと経験、知識を持っている一人なのだから。
エイのソテーは奥行のある味わい |
以前のガイド記事で「日本一キザなソムリエ」と書いて彼のファンからきついお叱りを受けた(笑)。しかし、彼のような一本気で真面目でちょっとキザで経験豊かなソムリエもまた日本には非常に数少ないのも事実なのである。ワインのコルクを開ける瞬間の柴田氏の表情に見るものは、切れ味鋭い伝家の宝刀を忍ばせる維新の志士に通じるものがあると言えば言いすぎだろうか。
内臓料理はシェフの得意とするところ |
■シュマン
東京都港区赤坂2-17-7
赤坂溜池タワー ANNEX
TEL:03-3568-3344
11時30分~13時30分(L.O.)コース\2,730~
18時00分~21時30分(L.O.)コース\5,880~
別途サ10%
地図
千代田線「赤坂」駅2番出口より徒歩5分
南北線・銀座線「溜池山王」駅10・11番出口より徒歩5分