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ぶどう畑の土に触れて フランス★グルメ旅紀行<6>

ただ「食べるためだけ」に出掛けた2月のフランス。パリ~ブルゴーニュ~リヨン~マルセイユ~バスク~ぺリゴール~リモージュと一気に駆け抜けた痛快旅日記、今号はル・モンラシエの畑そして美食のダイニングへ!!

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド


ル・モンラシエ

写ワイン
シェフはラムロワーズのスーシェフを勤めた方と聞く
シャサーニュ・モンラシエ村の中心部にあるシャンブル・ドットはお休み。横のレストラン、確か村の何軒かのドメーヌが協力して運営しているレストラン、ル・シャサーニュがあり、そこで聞こうと思ったがそこも休憩中。99年にシャサーニュを訪れた時そのシャンブル・ドットも併設しているドメーヌ・ブズロ・グリュエールの2階の部屋を見せてもらったことがあり、今度はぜひ泊まりたいと思っていた。隣のレストランも行ってみたかったのだが、ここはあっさりと諦めピュリニイ村まで歩くことにした。天気もよく、風も暖かい。

何と言っても圧巻は世界最高の白ワイン、ル・モンラシエの畑だ。官能的で力強く、時間と共に多彩な変化球のように味わいが深化する。その魔法にかかってしまった私はその畑の土を触り、匂いを嗅ぎ、小石や枝を広いバッグに詰め込んだ。

ブルゴーニュ
土は思いのほかあたたかい
この時期の葡萄畑は剪定が進み、畑が耕され春をじっと待っている。葡萄の木の畝がにょきっと出ているほかは何もない風景だ。ワインに興味がないと何の面白みも感じられない風景だが、誰もいないブドウ畑を歩くという快楽を知ってしまうとこれはもうやめられない。日本でそのワインと向き合った時に必ずその畑の風景が目の前に広がる楽しみもある。

ピュリニイの村に入るとすぐ左手はエティエンヌ・ソゼのドメーヌだ。相続問題で多くの畑を手放してしまったようだが、その腕は飛びぬけてすごいものがある。ほどなく広場に出て、さて、何処に泊まろうかと考えあぐねているとシャンブル・ドットの看板が目に入り、ちょうど門の前から出てきた伯父さんが予約客と勘違いしたのか、「中にマダムがいるよ!!」とのこと。

中二階にある玄関までは小さな階段が両側にあり、直感的に「これはいいぞ!!」

モンラシエ
カメラを向けると固まってしまったマダム

可愛いマダム

英語は話せないものの、とても気さくなマダムが「はいはい、いい部屋がいているよ、はい、ここ!!」と通されたところは8畳ほどのベッドルームと広々としたシャワーブースを備えたパウダールームがある居心地の良い部屋。これで朝食付きで40ユーロだからたまらない。なんといっても普通のお家なのだから、旅気分満喫である。

私はマダムに頼んで近くの一つ星レストラン、ル・モンラシエを予約してもらう。55ユーロのメニューもできてとてもリーズナブルになったのよ、とフランス語で賑やかに話し掛けてくる。メニューもすべてダイニングに揃っていたので、ここに泊まる方を紹介しているのだろう。

ワイン
一つひとつが絵になる畑の標識
ピュリニイの街中にはレストランは一軒しかない。オリヴィエ・ルフレーヴもランチのみやっているラ・ターブルがあるがそこには今回は行けず。白ワインを10種類以上デギュスタシオンできるカジュアルなコースはツーリストに人気が高い。パスカル・ワグナーという超面白いソムリエ兼シェフがいるのだが彼には次回ぜひまた会ってみたい。
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