サンルイ島へ
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ゆっくりと流れるセーヌはこれまでどんな歴史的シーンを見てきたのだろうか |
ヒラマツパリを出た後はピエールエルメ、サダハルアオキ、ピエールマルコリーニ等今や日本でもおなじみのショコラティエを梯子。そして夕方にはサンルイ島へ。サンルイはパリでも最もステータスがある高級住宅地の一つで、日本人では岸恵子さんがお住まいであることでも知られている。13世紀からある古い建物に1960年前後に4階部分以上が増築された住宅が立ち並ぶ。中世の時代は高くても3階部分までしか高さがなかったものに上に住宅を積み重ねていった訳だ。
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静かで落ち着いた佇まいだ |
そのアパルトマンに住むRobert&Reiko Burawoyさん宅を訪問し、パリでの食べ歩きについていろいろと興味深い話を伺った。ご主人の大好きなボルドーワイン、シャトー・ララギューン1998と共に用意してくださったマダムお手製のおつまみが暖かい。本当は夕食を、とのことだったのだが夜はすでに予定が入っていたため食事の前のアペリティフを、ということでお伺いさせていただいた。
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インテリアはご夫婦のこだわりそのものだ |
「三ツ星レストラン?行かないねえ、最近は。昔はグラン・ヴェフールなんかよく行ったけど、いく度に興味が薄れて来てね。第一自腹で行く値段設定になっていないじゃないか。海外から物珍しさでやって来る人たち向けの存在かな。アラブの王様とかね。確かにパリは新しいスタイルのレストランができてとてもエキサイティングだよ。ロブションのカウンターフレンチも人気があるし、バカラのクリスタルルームという元ノワイェル公爵夫人の邸宅レストランも人気だしね。僕たちはとにかく料理が旨い!!ということとそれが見合った価格になっているところを探して足繁く通っているな。」
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蔵書のコレクションも見応えがあるものばかり |
「ま、そりゃいつでも行こうと思えば三ツ星は行けるけど、本当の満足ってそうじゃないだろ。自分で見つけて気に入って満足できてこそ人にも勧められるんじゃないかな。街場にいいレストランはたくさんあるし、それは地元のガイドブックに載っているところもあれば載っていないところもある。(日本ではほとんど知られていないところばかりだ)僕たちはいろいろな評判をもとに、自分の足と舌で確かめている。それが一番の楽しみじゃないかな」
さらに続くパリのレストラン事情、日本との比較、不運にも星を獲得できなかったタテルヨシノ氏への同情。ヒラマツやミシュランについて、パリの3つ星レストランの最近の評判、常識ある裕福な家庭は我々と同じようにコストパフォーマンスを意識して冷静にレストランや料理を語る。
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窓からの眺めもパリそのもの |
リビングの暖炉には火がともる。段差がある奥の部屋はライブラリーと日本の美術品が並び、階下のダイニング、さらにその下にも部屋が!!日本の常識から考えるとアパートと言うものは「平屋」でしかないと言う先入観がある。ところがパリのほとんどのアパートは中に階段があり、1階、2階となっている(そう呼ぶかどうかはともかく)