■アミューズと小さな一口前菜
白身魚の燻製の下にはクスクスが。意外性はないがほっとする食事の玄関先 | 一口サイズのフリットとバジルバターのソースがシャンパーニュと共に幸せな時間へ誘う |
■魅惑の前菜2品
「シャンピニオンとオマール海老のショーフロアー」 ブルターニュのオマールとシャンピニオンが見事にマリアージュ。茸の魔術師の技がさり気なく隠された印象深い前菜 | 「季節野菜とエスカルゴのクリスティアン」 さっぱりとした野菜に添えられたエスカルゴとソースが見事なアクセントになっている。 |
■天然殻付帆立貝の蒸し焼きソースペリグー<スタイル・シェフ・マルコン>
香り高いトリュフソースを直接流し込むアイデア溢れる逸品。 | 殻を開けたときの香りは筆舌に尽くし難い、その日最も印象に残った一皿 |
■魚料理と贅沢な口直し
「フランス産鱸のポワレ生姜風味のオレンジソース ミニキャロットとフヌイユのバリグール風とソルベを添えて」 身の締まった鱸を引き立てるソースはやや濃厚すぎたものの、オレンジソースがほのかなアクセントに。強弱のアクセントが感じられる意欲的な一皿 | 「季節キノコのコンソメ バジルの香り フレッシュフォアグラのラヴィオリと共に」 口直しにしては余りにも出来すぎな一皿。コンソメの偉大さを再認識。 |
■メインディッシュからチーズへ
「仔鳩フィレ肉のロースト レモンとヴェルヴェンヌのアンクルート ミニアンティーブのグラッセ ソースヴェルヴェンヌ」 これ以上の鳩はないだろう。最高の素材を活かす調理技術はさすが三ツ星シェフ。アンクルートが余計に感じるほどの出来栄えだ。 | 「パリ・アレオスのフロマージュセレクション」 フレッシュなチーズのバリエーションが長い余韻を残していく。 |
■2つのデザートバリエーション
「クラシックなサヴァランとエキゾチックフルーツのプレッセ 季節のソルベ”ミュージカル”」 | 「フェレッシュバナナとモリーユ茸のプロシェット パンデピス風味 バルサミコのアイスクリーム」 |
■ワイン
シャンパーニュ ルイ・ロデレール1996
シャサーニュ・モンラシエ・プルミエクリュ・ル・カイユレ1998 アミヨ・ギ・エ・フィス
コートロティ シャトー・ダンピュス1998 ギガル
デザートワイン
実に創造性に溢れた料理の数々。特にホタテの中に直接流し込むソースペリグーはトリュフの香りと潮の香りが交じり合い、「食べるもの」の域を超越した自然世界が皿の上に広がる。鳩も実に食欲をそそる色合いにローストされ、自然の恵みが手元で見事に再現される。
話し変わって、フランスで星を取ったひらまつだが、これによってフランス国内において一流料理人の仲間入りを果たせたと認められたようだ。マダムから直接ご案内をいただいたが、4月上旬にポール・ボキューズが来日し、広尾の本店で腕を振るうと言う。年齢から言って日本で腕を振るうのはきっと最後になるだろうことは容易に想像できることだ。こうした超大物を招聘できる平松氏の手腕はさすがだ。
レジス・マルコンの経営するオーベルジュClos des Cimesはローヌの田舎町にある。フランスと言えばパリ!!というほど有名で名だたるレストランが存在するが、本当に旨いものは田舎町に存在すると私は断言したい。リヨンのソーシソン、ブルターニュの牡蠣、エシレのバター、バイヨンヌの生ハム、ぺリゴールのトリュフ、ランドの鴨、などなど書き上げるときりがない。そうした背景には、ポール・ボキューズの師匠であるフェルナン・ポアンが語る言葉がある。「料理人よ、故郷に帰れ。そして故郷の市場に行き、故郷の人々のために料理を作れ」。料理人でなくとも意気に感ずる実に素晴らしい言葉ではないだろうか。歴史と言う時間に積み重ねられたフランスの食懐は実に深いのである。
さて、今回の企画の立役者となったひらまつグループはパブリックカンパニーとして、そしてフランスで星を持っている唯一のレストランとして今後もサプライズなイベントに期待したい。
ひらまつグループのホームページはこちらから。
レジス・マルコンの target=_blank>Clos des Cimesはこちらから。