濃厚であり繊細な鴨とフォアグラのソーセージ |
ル・マンジュ・トゥ。シェフの名は谷昇。食通の間ではもちろん有名な方。しかしその笑顔とはうらはらに恐ろしい料理人だ。2005年1月12日の夜、私はこれまで食べてきたフランス料理がすべて吹っ飛んでしまった!!
このコンソメを楽しみに一年を生きていきたいほどだ。 |
コンソメスープ?私はホテルオークラのコンソメが一番だと思っていた。透明でコクがあり。。。しかし、「いったいどうしたらこんなコンソメが作れるのか??」それは「鹿のコンソメスープ」と聞いたが、液体が味覚すべてに纏わりつく。そう、噛むために存在しているような液体のようだ。さらに写真に見える鹿肉の串の柔らかさといったらそれこそ言葉に出来ない。
濃厚でありながら気品を感じるジビエの王様というべきリエーブル(野兎) |
厨房は2階なのでシェフの仕事ぶりはわからない。メニューもない。しかし、予約を受けたところからシェフの仕事は始まっているに違いない。ダイニングの謎めいたマダムが勧めるワインはどれもはずれがない。そもそもどれを選ぼうとも外すワインがない。
04年4月に訪れたときは冷製のフォアグラテーに黙り、羊のローストとトマトのスープにの強烈さに言葉がなかった。表現のしようがないと今回のように極めて独りよがりの記事になってしまう。
ショコラ総ざらえのデザートで夢見心地とはこのことか。 |
食事をして数日経ったが、まだ気持ちの昂ぶりは収まらない。私はその夜、これまでのつたない経験がすっとぶ位、フレンチの奥深さと谷シェフの「一食への入魂」を感じたことだけは確かだ。
谷昇氏/52年東京都生まれ。六本木の「イル・ド・フランス」からフレンチの世界に入る。76年、89年と2度フランスへ渡り、アルザスの3つ星「クロコディル」などで修行をする。帰国後、六本木の「オー・シザーブル」などでシェフを務めたあと、94年に「ル・マンジュ・トゥー」をオープン。
2003年に柴田書店より「素描するフランス料理」を出版。料理人でなくても手元に置いておきたい一冊だ。
東京都新宿区納戸町22
地図はこちらに
03-3268-5911
地下鉄牛込神楽坂駅から徒歩7分
定休日/日曜日、月曜のランチ
直前予約ではなく、なるべく余裕をもった予約の方がよろしいかと思います予算はワインにもよりますがお一人15,000円程度でしょうか。