フレンチ/東京のレストラン

24年の歴史だけではない真の魅力に迫る レストランFEU(乃木坂)(2ページ目)

乃木坂の駅前に煌く光を絶やさない珠玉のフレンチ、レストランFEU。シェフが代わる度に輝きが大きくなる不思議な魅力を持つ。現シェフの下村氏は最も旬な料理人と言ってよいだろう。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

究極の真夏メニュー

前菜
暑さ気分をを和らげる爽やかアミューズ
四角い店内は開放的、テーブルの感覚も申し分なし。窓側の席は通りのわずかな夜景が気持ちよく目に入り、奥の席は他のゲストの視界からはずれる微妙な作りか。

メニューには通常のコースの他に夏のメニューが用意されていた。さっぱりとした作りながら素材や仕込みには手間隙が惜しみなくかけられた料理が中心だ。

シャンパーニュを飲みながら酸を効かせたシーフードのアミューズでまずはほっと一息。前菜のグルヌイユ(蛙)のフリットは凝縮された上品な鶏肉を彷彿とさせる食感が見事に感じられる逸品。蛙はフリットかガーリックバターなどでソテーすると、これがたまらなく食欲が高まるので私も大好きな食材である。

蛙
蛙の旨さはひとえに食感にある
メインのポークグリエも骨に付いた肉のうまいこと旨いこと、とこれ以上の賛辞の言葉もない。ナイフを入れた時の手の感覚、口に含んだときの歯ごたえ、そして広がる味わい、ワインで言うアフターもしっかり。そんな流れの中に豚肉の持つ「旨さ」が非常にシンプルな形で表現されている。

デザートは2品のほか非常にアイデアに溢れたプティフールがサービスされる。甘いシロップに漬け込まれたオリーブはぜひお薦めしたい。

豚
シンプルにグリエされたポーク
オーナーの中村氏は必ず店に立つという。それがオーナーとしての使命だそうだ。FEUは毎日姿の見えるオーナー、有能な料理人、そして歴史、さらに付け加えるとしたら決して他店舗展開をせず、一つの場所で長く営業を続け、たくさんの料理人やサービスマンを育て独立させてきている。特にシェフはそのレストランのすべてである。ミシュランではシェフが代わると星が必ず一つ落ちるとさえ言われている。FEUではシェフが代わるタイミングで成長を継続する見事なリノベーションが計られているように思えてならない。

暑い夏はやっと遠くに行ってしまったが、涼しくなった今思い出してもFEUの真夏のディナーは自分の中ではまだまだ熱いままだ。これからの秋のグルメシーズンにも要チェックのレストランである。



あ・と・が・き
この日も電通国際時代の先輩であるS氏が向こう隣のテーブルに!デザートのときにポートワインご馳走になっちゃいました。ありがとうございました!

それにしても下村シェフの料理は旨かった!
帰り際厨房を覗かせていただいたのですが、活気溢れる若いキッチンスタッフも印象的でした。

FEU
次代を担う料理人がここから輩出される
■レストランFEU
港区南青山1-26-16
TEL:03-3479-0230
FAX:03-3479-8622
定休日:日曜日と第三月曜日(パーティは可能)
営業時間:
Dejeuner 11:30-14:00 L.O.
Diner  18:00-21:30 L.O.
Bar   17:30-01:00 L.O.
アクセス:地下鉄 千代田線「乃木坂駅」3番出口前
大江戸線「六本木駅」より徒歩3分
銀座線・半蔵門線「青山一丁目」より徒歩6分
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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