フレンチ/東京のレストラン

恵比寿ウェスティンホテルにある優雅な”フレンチ”。 ビクターズ(恵比寿)

品のいい華やかさとゆったりとした空間に加えて、フレンドリーなサービスが非常に気持ちのいいレストラン。夜景はおまけと言えるくらいトータルバランスが素晴らしい。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

ホテルの中にあるレストランには、これまでどうも魅力を感じないことが多かった。

しかし、この1年の間、多くのホテルレストランに出掛けたが、その中でも東京ドームホテルのドゥ・ミルやホテルオークラのベル・エポック、ニューオータニのトゥール・ダルジャンなどそれぞれ特徴ある素晴らしいレストランが多い。



今回ご紹介するビクターズも恵比寿はウェスティンホテル東京の中にあるレストランだ。ここは世界の調理法を融合させた新しいスタイルのコンチネンタル料理と表記してある。しかし今回久しぶりに食事をした限りおいては、れっきとしたフレンチでは?と思う。
            

中は思ったほど広くはないが、テーブルは十分な間隔があり、寛ぎを醸し出す最適な配置になっているように思える。ルネッサンス調、ロココ調など個室も含めて6つのテーマでデザインされたインテリアは、食事前の気持ちの高ぶりを十分にそそるものだ。

料理についてだが、比較的軽めのコース(8,000円)、ベーシックなコース(11,000円)、冷前菜、温前菜、スープ、メイン、デザート2種までついたフルコース(16,000円)と揃っているが、ここはアラカルトでいきたいところ。値段もまずまず手ごろである。

           

メニューの中にスープが4種ある。このところのフランス料理では、スープは手がかかる上に人気がなくコース料理にも組み込まれないことが多い。しかし、今回オーダーしたポルチーニ茸のブイヨンスープ、グラタン仕立ては手間隙かけて作られた気持ちのこもった一品。やや季節はずれとも思われるポルチーニ茸も香りが十分に引き立ち、食欲がさらに高まる。

イタリアンっぽい冷前菜盛り合わせも、一つ一つが丁寧に仕込まれており、鮮度も味わいのバランスも申し分ない。写真の通りとても美しい盛り付けである。

           

メインに選んだフランス産仔鴨胸肉のロースト、蜂蜜とタイムの香りもオーソドックスなメニューだが、比較的あっさりと感じられるソースが口の中で幾十にも広がり、鴨肉と絡み合いながら、「うまいなあ、やっぱ鴨は!」と大好物に大満足。

            

窓側の席に座ったのだが、元来夜景にはあまり興味がないとはいいながら、遠くにはレインボーブリッジがほのかに明りを灯す光景に、軽い驚き。(高所恐怖症でなければもっと夜景の綺麗なレストラン巡りを楽しめるのに!)

気がつけば、たわいもないグルメ談義に話をあわせてくれるフレンドリーな支配人やサービススタッフもこのレストランの暖かな人間的側面を物語る。水が欲しいな、と思った時にそっとサービスされる。見てないようで気にかけてくれる気持ちのいいサービスを私は久しぶりに和んだような気がする。

           

デザートにサービスされた「マンゴーのゼリー仕立て」の品良く押えられた味わい、そして食後のミントティーの香りまでが、眠りにつくまで舌の記憶として残っていた。

帰りがけに、シャンパーニュのトップブランドの一つ、ドン・ペリニヨンを楽しむディナーの案内をいただいた。ぜひこちらをご覧いただきたい。

■ビクターズ(ウェスティンホテル東京22F)
ランチ/11:30~14:30
ディナー/17:30~22:00
電話03-5423-7871
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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