「本格的フレンチ」 
何気ない表現ですが、ちょっと気になりません?その「本格的」という表現。単純に受け止めると「本場フランスの味わいに近づけた」と、ちょっと弱気な表現。料理に自信があるなら、もっとわかりやすい表現、例えば「野菜をふんだんに使いヘルシー感に溢れたフレンチ」「パリの名店XXの味を忠実に再現したフレンチ」とかね。「的」という言葉は使い方や受け取り方にご注意を。

「隠れ家レストラン」
 なんで食事に出かけるのに隠れなきゃいけないのかなあ、と常々思っていたりして。そう言えば子供の頃、隠れ家ごっこをした楽しさが今につながっているのでしょう。知る人ぞ知る隠れ家レストランと呼ばれているお店はどう思っているのかしら。エスペランスは友人を連れて行くと「へー隠れ家的ですねー」と言われますが、「別に隠れに来た訳じゃないし、オーナーも隠れ家なんて思ってないよ」と言ってしまいます。なんとなく私はやだな、このコピー。でも実際には隠れ家=人気店=行ってみなきゃだわ、と思ってしまうのかな。

「シェフはフランスの○○、××などで修行を積み~」 
実はフランスで修行を積んだからといって特に何がすごいわけではないのです。今や大学生だって当たり前に留学しています。料理学校から派遣される料理人以外はほとんどの場合、ビザなしで修行に出かけています。しかしほとんど場合、皿洗いやジャガイモの皮むきからのスタート。それすら出来ずに帰国する若い人は山ほどいます。皮むきが見込まれればどんどん位が上がっていき、名声を得ることもできます。
シェフの右腕であるスー・シェフやソース担当といったところまで行けば、実力が現地で認められた証拠。実際にはパリの3つ星ランブロワジーの星を増やしたコートドール(三田)の斉須シェフや「ギ・ザヴォア」のソース担当まで上り詰めたレストラン・ド・レトワール(恵比寿)の三鴨シェフなど、そう多くありません。ただし海外で修行した経験がない有能なシェフもたくさん存在することも忘れてはいけません。

「眺めのいい大規模ビルにうまい店はない」 
いわゆるマーケティングという得体の知れない活動の結果、次々と生まれている極めて商業的レストランの数々。また都市再開発に人気のレストランを呼び込みたい不動産会社。特に丸ビルやこれからできる汐留、品川、六本木ヒルズ等の大規模商業ビル内のフレンチにはマジに危機感持っちゃいます。初期の建設コストが桁外れに違うのです!ただでさえ備品やワインの仕入れにお金がかかるのに。。。その結果、原価率(材料費)を下げるか、コスト(人件費)を下げるか、客単価を上げるしかありません。閉店時間とかいろんな規制もあるし。。。丸ビルのモナリザ、大丈夫かなあととっても心配。私の食の師匠は「眺めのいい大規模ビルにうまい店はない」と言い切ります。私もこれまでの経験からそう思うのです。
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