フレンチ/東京のレストラン

秋深く茸的美食快楽浸る夜。。。 マッシュルーム(恵比寿)(2ページ目)

お肉で季節感はなかなか味わえない。魚や野菜ではごくありきたり。でもキノコならちょっとだけ非日常的かな。妖しささえ感じるキノコの魅力は秋が最高!

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

以下は8000円のキノコ尽くしのコース

■平目と佐賀県産パールシャンピのカルパッチョ
■白舞茸と桜シメジのフリチュール
■鴨のフォアグラのソテー、半熟卵とトリュフソース
■旬のキノコのガーリックソテー
■ハナどう茸と生ハムのヌイユ
■松茸とムール貝のスープ
■雲仙の豚とセップ茸のリヨン風
■イチゴのシャーベット
■コーヒー&プティフール
*ワインはシャサーニュモンラシエ1級シャンガン97

よくもまあこれだけ食べたかと思われるかもしれないが、キノコの種類の多さや調理のクリエイティビティ、そして合わせた白ワインの軽くも後に尾を引く味わいとともに、気がつくと全皿ぺろりと平らげてしまった。後に残ったのは決してもたれない満腹感と心地よい酔い加減、そして満足感だ。

特に「鴨のフォアグラのソテー、半熟卵とトリュフソース」は絶品だ。厚い黒トリュフとソースは半熟の卵、フォアグラのソテーとぬるぬると絡み合い、食欲という欲望を完璧に満たす、官能的な一皿だ。パンですべてのソースをすくい、皿を真っ白にした瞬間、言いようのない満足感に浸るが、次のキノコづくしの一皿がサービスされるや否や気持ちは見事に切り替わる。普段見慣れぬキノコばかりだが、その中にたまご茸というキノコがあった。日光で採れたものらしいが、ゆで卵を半分に割ったような形にナイフを入れると黄身が出てきそうな気がする。

キノコは数えきれない位の種類に加え、甘い苦いといった味と、やわらかい、歯ごたえがあるといった食感にバターやガーリックといった味付けでそれこそ何百種類もの楽しみがある。そして春夏秋冬、季節によりそれぞれ旬の味覚が楽しめる究極の食材とは言えまいか。これからの季節はジビエがおいしくなる、食いしん坊にとってはたまらない季節がやってくる。キノコとジビエ三昧の料理に極上のワインで秋の夜長を過ごせるなら、たいていのものは我慢できる。

小さいお店だから席はゆったりとした感じではない。しかしやさしいソムリエールがアットホームな雰囲気を創り出しキノコという非日常を日常的な目線に落としてくれる。

最後にキノコ料理にはブルゴーニュのシャルドネがぴったり合うことも記しておきたい。

フランス料理とキノコのお店
RESTAURANT mushroom

東京都渋谷区恵比寿西1-16-3
麻仁ビル 恵比寿西1F 恵比寿駅西口より徒歩4分
TEL:03-5489-1346
営業時間
12:00~15:00(14:00ラストオーダー)
18:00~23:00(21:00ラストオーダー)
定休日 毎週月曜日
食前酒、ワイン飲んで一人1万円程度から。サービス料夜のみ6%。
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