レストランOZAWAだ。
オープンしたての13年前の夏、知人が主催する食事会があり、まだまだフレンチは敷居が高いなあ、などと思っていた20代半ばの私でも、その時の雰囲気と料理ははっきり記憶に残っている。外苑西通りから少し奥まったところにある階段を下りたそこは地下であることを感じさせず、余計な飾りのないモダンな空間が広がっている。完璧なまでの間接照明だ。デザインはフランスのフィリップ・スタルク。調和の本質を感じる空間がたまらなくお洒落だ。
東京スタイルのフレンチというキャッチコピーであったが、スペシャリテであるオマール海老の茶碗蒸仕立ては、なるほど東京フレンチというのはこういうものかと当時はただただ感嘆するばかりであったことを思い出す。ただ東京スタイルのフレンチ、和風仕立てのフレンチという言い方はどうも好きになれない。調理方法はれっきとしたフランス料理なのに、日本の素材の特徴ある引き立て方をするとすぐ~風のという言い方をされる。例えば和風仕立てのフレンチって何か軽々しく聞こえはしないだろうか?
OZAWAの持ち味は、次のようなところにあるのだ。。。







