同時にプレイされるのはたった1つポケットモンスターシリーズや、マリオシリーズなど、切り札となる強力なコンテンツを自社で持っている、また開発できるところが任天堂、ひいてはDSというハードの大きな強みです(イラスト 橋本モチチ)さて、このポケット争奪戦をお話する上で、無視できないハードがあります。もっとも売れている携帯ゲームハードであるニンテンドーDS(以下DS)ですね。ポケット争奪戦という観点からDSというハードを眺めてみると、実に奇異な存在に感じます。なにしろDSがもっともマルチメディアプレイヤーから遠いハードであるということは間違いありません。ニンテンドーDSiではカメラがついて写真が持ち運べるようになったり、音楽プレイヤーが搭載されて音楽が聴けるようになりましたが、それはマルチメディアプレイヤーというより、写真や音楽を使って遊ぶ、というものであり、依然としてゲームハードとしての姿勢は崩していません。iPod touchやiPhone、PSP goなどとは立ち位置が全く違います。しかし、ゲームしかできないこのハードが既に全世界で1億台以上も普及しているのは事実です。どうやって普及してきたのか、それは確実にゲームソフトによるパワーでしょう。しかも、DSでしか遊ぶことのできない、マリオシリーズや、おいでよ どうぶつの森や、nintendogsや、脳を鍛える大人のDSトレーニングなどが引っ張ってきたことは間違いありません。それらは時として、たった1つで他のコンテンツ全てを退けて、ユーザーに選ばれることがあります。理由は実に単純で、どんなにたくさんのコンテンツがあっても、ゲームをしながら音楽を聴いたり、音楽を聴きながら動画を見たり、動画を見ながらゲームをしたりは普通しないからです。ゲームしかできないハードでも、このゲームさえできればいいと思ってもらえれば、他の全てのコンテンツを押しのけて手にとってもらえます。少なくともDSは、そうやって普及してきました。激化するポケット争奪戦。これから、あらゆるコンテンツが、ポケットの中に入った1つのハードで再生される時代もくるかもしれません。そうなれば、そのあらゆるコンテンツをプレイするハードの後ろには、大きなコンテンツビジネスが生まれます。しかしそれでも、ハードが選ばれる理由は、結局それぞれのユーザーが求めるたった1つのコンテンツを届けることができるかどうか、これに尽きるように思います。逆説的ですがそのたった1つがあればこそ、その他のたくさんのコンテンツも生きてくるというものです。iPhoneやiPod touch、PSP goやDSがポケット争奪戦に勝ち抜くために、それぞれどんなコンテンツを届けてくれるのか、楽しみにしたいと思います。【関連記事】ゲームに対するアップルの本気を聞いてきた(AllAboutゲーム業界ニュース)PSP goの発表に欠けていた大切なもの(AllAboutゲーム業界ニュース)誰かゲームをオンラインに接続してください(AllAboutゲーム業界ニュース)【編集部おすすめの購入サイト】Amazonで人気のゲームソフトをチェック!楽天市場で人気のゲームソフトをチェック!前のページへ123※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。