オンラインゲームやモバイルコンテンツの利益率

ドラクエをするももんじゃの図
ドラゴンクエスト9延期の影響でゲーム事業はもともとの想定よりもかなりおとなしめな数字。しかし、こういうことがあるからこそ、利益率の高いオンラインやモバイルコンテンツ事業の存在は大きいと言えるかもしれません
スクウェア・エニックスが2009年5月19日に2009年3月期決算を発表しました。これはつまり、2008年の4月から、2009年の3月までの1年間でどれだけ儲かったか、あるいは儲からなかったかを発表したものですが、注目していただきたいのは売上げに対する利益の割合、利益率と呼ばれる数字です。

ゲーム事業は約363億4,300万円の売上高に対し、営業利益、つまり儲けが41億6,200万円。オンラインゲーム事業では、106億2,900万円の売上高に対して30億8,700万円の営業利益。そして、モバイル・コンテンツ事業は70億9,200万円の売上高に対して営業利益は36億8,900万円。細かい数字が並んで目がチカチカしてしまうんですが、それぞれ利益率で言うと、ゲーム事業が11.5%、オンラインゲーム事業は29%、そしてモバイル・コンテンツ事業は52%になります。

ものすごく大雑把に言うとですね、ゲームソフトは10の売上げのうち儲けは1つだけど、携帯電話で配信すると10売り上げたら5が儲けだと、そういう話です。スクウェア・エニックスは大手ゲームメーカーの中でもオンライン関連の事業に力を入れているほうですが、その理由の1つにはこの利益率の高さが挙げられるでしょう。

オンライン関連の事業には新たなビジネスチャンスがあります。しかし、普及と拡大の為には解決しなくてならない大きな問題も、残ってます。ゲーム業界のオンラインビジネスの可能性と解決すべき問題について、考えてみたいと思います。

ダウンロード販売とパッケージ販売の違い

ファミコンミニの図
ゲームボーイアドバンスで発売されたファミコンソフトの移植シリーズ、ファミコンミニは、パッケージを豪華にして2,000円で発売していました。
そもそも、オンラインでゲームを販売したりサービスをしたりすることでゲーム業界にとってどんなメリットがあるのか。色んな理由が考えられますが、ゲームをオンラインでダウンロード販売するようになると、製造、物流、在庫、この3つから解放されるという点が大きいかもしれません。データをユーザーが直接ダウンロードするわけで、例えばDVDを1枚1枚プレスして、説明書を印刷し、箱につめて、問屋さんから各店舗に配送し、売れ残らないように在庫管理をする、というようなことがなくなっていくわけです。

そういったコストやリスクから解放されると、ゲームという商品のあり方が劇的に変化します。今まではゲーム1本あたりにある程度の値段をつける必要がありました。もし開発の手間が同じだとしたら、500円のゲームを10種類作って売るより、5,000円のゲームを1種類作って売った方が、製造や物流にかかわる物理的な効率がいいからです。

Wiiのヴァーチャルコンソールではファミコンのソフトを1本500円から買えます。かつては、ファミコン時代のゲームを1本500円で販売するということはありませんでした。数種類のゲームを1本のパッケージにまとめて数千円で売るというのが主流でした。しかし、オンラインではパッケージにまとめる必要がありません。

もっと言えば、単体ではゲームとして成立しないぐらいの細かいものも販売することが可能なわけで、パッケージゲームの追加コンテンツとして、ゲームの中で使えるアイテムが売られたり、新しいステージが売られたり、キャラクターのコスチュームが売られたりということは既に盛んに行われています。

今ご紹介したのはほんの一例で、オンラインによってゲームビジネスはさらなる広がりを持とうとしています。しかし、こういったビジネスをより拡大させていく為には、まだまだ乗り越えなくてはいけない大きな問題も、残っています。