ゲーム業界ニュース/ゲームとビジネスニュース

誰かゲームをオンラインに接続してください(2ページ目)

今やどのゲームハードもオンラインサービスを展開しています。オンラインでのビジネスは、ゲーム業界に新たな可能性をもたらします。しかし、サービス拡大には、まだ大きな問題も残っています。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド


流通コストをユーザーが負担する

ユーザー個人が持っておるオンライン環境も利用しなければゲームを販売することができない仕組みだという点は、本来重要なポイントであるはずです先ほど、オンラインでダウンロード配信した場合、製造、物流、在庫、の3つから解放されるというお話をしました。しかしそれは、ユーザーにゲームを届ける為のコストがゼロになったという意味ではありません。物流だろうが、ITだろうが、お客さんにゲームを届ける仕組みと言うのは必要です。そしてその為には多かれ少なかれ、コストはかかります。

ここからが大変重要なポイントですが、オンラインでゲームを売る場合、そのゲームを届ける仕組みにかかるコストを、ユーザーもかなり負担しています。ゲームを買うために、ゲームハードを買うだけではなく、ブロードバンド回線を引いて、プロバイダと契約して、ルータなどの通信機器を購入し、場合によっては無線化する必要まであります。それらのコストは全てユーザー負担なんです。

ゲームに限った話ではありませんが、オンラインのビジネスは基本的にユーザーの負担にのっかって成り立っていることを忘れてはいけません。また、多くのオンラインサービスはオンラインに接続している人を対象にビジネスを展開していきますが、コンシューマーゲームハードは逆で、ゲームの為にオンラインに接続してもらわなければいけません。

しかも、ユーザーが負担しているコストというのは、何もこういったオンライン環境を整えるのにかかる費用という面だけではないんです。

SSIDってなにさ!

ガイドがゲームの記事を書く時は、ゲーム用語が難しくなりすぎないように注意していますが、ITの言葉が入ってくると、それ以上に難しいものが多くて説明が大変だったりします。SSIDという言葉の意味を知っていますでしょうか。Service Set Identifierの略です。なお分かりにくいですね。簡単に言えば、無線LANで接続する時のアクセスポイントを識別する名前です。いきなりなんでそんな話をしているかというとですね、ニンテンドーDS(以下DS)とかPSPとか、あるいはWiiなんかの無線LANを使ったゲームハードをオンラインに接続する時にこのSSIDという言葉がでてくるんですね。だけど知らない人はたくさんいるわけです、SSID。

SSIDに限らずそういう言葉がたくさんあるわけです。WEPとか、DNSとか。分からないからインターネットで調べてみたりするわけですが、そうすると次から次に分からない言葉がでてきます、IEEE 802.11とか、IPアドレスとか、ドメインとか。そんな言葉の意味ぐらい知ってるよ! という人もいるかもしれませんが、そんなのわけわからないよ! という人の方が世の中には遥かに多いでしょう。

こういった知識を理解したり、トラブルが起きた時に解決する為の労力、これもコストなんですね。そしてこのコストは、お金で解決できるものよりも遥かに厄介です。ゲームハードをオンラインに接続してもらって、新しいゲームビジネスを展開していこうと思ったら、どうしてもこのユーザーが負担しているコストを軽減していく方法を考える必要があるはずです。
ゲームショップの図
IT用語の図
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