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Xbox360でFF13が売れても儲からない?(2ページ目)

急激な円高で多くの輸出業者が悲鳴をあげています。もちろん、ゲームも例外ではありません。円高はゲーム業界にどんな影響があるのか、考えてみたいと思います。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド


FF13をXbox360向けに発売すると発表したけれど……

Xbo360にFF13登場の図
E3での電撃発表。看板タイトルのマルチ展開は、スクウェア・エニックスが海外市場を強く意識しているということを示唆しています。
スクウェア・エニックスやカプコンなど、日本の多くのメーカーは海外市場の開拓を大きく意識した経営をしていました。特に、日本でDSやWiiに普及台数で圧倒されているPlaystation3(以下PS3)やXbox360などのハイエンドハード向けのゲームは、コアユーザーの絶対数が多い北米でいかにマーケットを作るかが重要になっています。

象徴的なのは北米最大のゲームイベント、The 2008 E3 Media & Business Summit、通称E3で発表されたファイナルファンタジー13の、北米、ヨーロッパにおけるXbox360へのマルチ展開です。国内ではPS3への独占としながらも、海外でPS3、Xbox360のマルチ展開を発表したのは、北米で強いXbox360の市場へ食い込んでいく狙いがあった為でしょう。

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しかし、ここまで急激な円高になると、先ほどの例のように、いくら売っても儲けは目減りしていきます。日本での市場確立が難しい、しかも海外で売っても儲けが減るのでは、ハイエンドハード向けゲームを作ることのリスクそのものがどんどん膨張していきます。

来年、再来年のことを考えなくてはいけない
円高にしょんぼりする2人の図
円高が長期化するのか、どんな着地をみせるのか、これは海外市場を拡大することでもくろむ利益に大きく関わります。
ゲームというものは企画を立ててから販売されるまで、短くても半年ぐらい、それこそハイエンドハード向けのゲームであれば1年、あるいは2年、3年とかかるものさえあります。このことは問題をさらに面倒にしていきます。

2008年9月15日に、北米にあるリーマン・ブラザーズという世界的な大手証券会社が倒産し、それが引き金となって北米、ヨーロッパの金融崩壊、消費低迷による景気不安を背景に、急激な円高が進んでいるというのが現状です。しかし、ゲームの開発スパンを考えれば、来年も円高は進むのか、再来年はどうなるのか、ということこそが重要になります。

これから迎える年末年始商戦、あるいは春における展開については、ほとんどの場合、方向転換は難しいでしょう。しかしだからこそ、これからのことをすぐに考えなくては、さらなる変化についていけないのです。ただし、ずばり予想するのは本当に困難です。

円高、不況の大波は社会全体に大きな影響を及ぼしそうです。なんだか暗くなっちゃいそうですね。でも、最後に少しだけ、希望の見える話もしたいと思います。

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