WiiもDSも売れているのに、儲けは減りそうな任天堂

しょんぼりするDSとWiiの図
売上げそのものはむしろ絶好調の任天堂。しかし、だからこそ円高の影響が大きいのです
2008年10月30日、任天堂は2009年3月期通期の利益予想、簡単に言えば今年度の儲けの予想ですね、これを下方修正しました。今年は最初考えていたよりもどうやら儲かりそうもないぞ、ということを発表したわけです。どのくらい儲からないかというと、経常利益、つまり任天堂の経済活動全体で得られる利益で、1200億円ほど今までの予想を下回りそうだと発表されました。

1200億円ってあまりに大きな数字でピンときませんが、なんだか大変そうだということは分かりますよね。しかし、あら、ゲームが売れてないのかしら、と思ったら大間違い。Wiiの本体、そしてWiiとニンテンドーDS(以下DS)のソフトの販売数については、むしろ予想を上方修正しています。思ったよりもたくさん売ることができそうだぞ、と。

売れているのに儲けは減るって変な話ですよね。原因となっているのは、今ニュースなどで盛んに叫ばれているキーワード、円高。円高だとゲーム業界にどんな影響があるのか。そもそも円高ってどういう状態? というところからお話してみたいとお思います。

円高だとなにが困るのか

折れ線グラフお姉さんの図
輸出による利益が大きい企業ほど、キツイ状況になります。ソニーグループは、エレクトロニクス分野で大打撃を受けました。
円高というくらいですから、円が高いのです。ドルだとか、ユーロだとか、円以外の貨幣と比較して、円の価値が上がっているという状態です。例えば、1ドル130円というのは、130円で1ドル分の価値があることを言います。ではこれが、1ドル100円になったらどうでしょう。さっきより30円少ない100円で1ドル分の価値があるということになります。つまり円の価値が高くなっている、これが、円高ですね。

円の価値が高くなるというとなんだか良いことのように聞こえますが、任天堂のような企業にとってはそうでもないのです。任天堂は日本のゲーム業界でも大きなシェアを持っていますが、北米やヨーローッパでもゲームを売っています。むしろ、日本での売上げよりも海外での売上げの方が全体の中で占める割合としては遥かに大きいぐらいです。

もし、1ドル130円の時に50ドルのゲームを売ると、日本円換算で、6,500円になります。では、1ドル100円の時に、50ドルのゲームを売るとどうでしょう?そう、5,000円にしかなりません。同じものを売っても、円高になればなるほど儲けが目減りしているのです。任天堂が1200億円もの下方修正をしたのはこのことが最たる原因だと考えられます。

次は、このことがゲーム業界全体にどう影響していくのかというお話をしたいと思います。