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DS×PSP 携帯機戦争はハッピーエンド?(2ページ目)

とうとう発売された新型PSP。DSとPSPの携帯ゲームハード戦争はこれからどうなっていくのでしょうか? これまでの経緯を振り返りつつ、携帯ハード市場のこれからについて考えます。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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非ゲーム層を味方につけたDSが空前のヒット

どうぶつ森の図
おいでよ! どうぶつの森は、DSにあわせてタッチペンだけで操作することができるよう作られていました
年が明け、2005年を迎えて間もなくすると、両ハードともに初期の需要を満たし、お互い有力なソフトを欠いたまま膠着状態になります。年末では出荷不足の為、大差をつけられてしまったPSPが、順調に出荷されるようになると少しずつではありますがDSとの差をつめていくといった状況です。この後どうなるか、まだまだ分からないという感じでした。

先手を打てたのはDSです。2006年4月21日、後に世界的大ヒットとなるnintendogsの発売がきっかけでした。その1ヶ月後には、あの、脳を鍛える大人のDSトレーニング(以下脳トレ)が発売。両者はタッチパネルや、マイクデバイスと言った新しいインターフェースを使って、じわじわと、新しい層を取り込んでいきます。今まで、ゲームをしなかった層です。今度はまた、PSPがじわじわと引き離される展開になっていきました。

そしてむかえた、2005年12月第3週。12月19日からはじまる、クリスマスがある週ですね。DSの売り上げが跳ね上がります。その数なんと1週間で約60万台。これはいきなり各店舗の店頭在庫が空になる数字です。DS発売週以上の売り上げですし、同じ週のPSPが約16万台ですから、どれだけとんでもない数字かがお分かりいただけると思います。

nintendogsや脳トレが少しずつ広げていた、いままでゲームをしなかった層をターゲットとしたマーケット。そこで迎えた年末商戦に、やはりゲームをしたこと無い人でも遊べる、おいでよ! どうぶつの森がピッタリマッチした形になって大ヒットを生みました。この後、DSは完全に独走状態に入ります。

DSLite、Newスーパーマリオブラザーズ発売で独壇場へ

Newスーパーマリオの図
横スクロールのスーパーマリオシリーズを、シンプルで簡単な操作にし、DSで復活させました
クリスマス商戦においでよ! どうぶつの森や、マリオカートDSを投入し、在庫が無くなるほどのヒットを飛ばすDS。畳み掛けるように脳トレの続編である、もっと脳を鍛える大人のDSトレーニングが発売されます。

さらに、年が明けると、軽くなって液晶も明るくなった新型DSであるDSLiteがリリース、さらには「誰にでもできる、新しいマリオ」とキャッチコピーをつけた、ゲーマーから、新規層まで幅広くターゲットにしたNewスーパーマリオブラザーズが発売され、DSは出荷すればしただけ売れて常に完売状態という、前代未聞の状態が続くようになります。

DSがまともに店頭に並ぶのはそれから1年以上もたった、つい最近のことです。Playstation2(以下PS2)の2倍という、テレビゲーム史上かつてない、とんでもないペースで売れていくのです。

さて、一方すっかり影が薄くなってしまったPSPですが、いったいどうなっているのでしょうか?
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