作ることが最高に楽しい現場
お題をもらったら、下のタッチパネルに答えを書きます。画面上から伸びている導火線に火がついていき、左下の爆弾に引火したらタイムオーバー |
橋本:基本的には2006年の8、9、10月の3ヶ月間で、9割近くはできあがりました。その3ヶ月間でも、前半はメールのやり取りが中心。コンテンツがつまってきた9月半ばから10月くらいに合宿なんて言って、土日にみんなで集まって作っていたんです。
お昼の1時か2時くらいに集まろうかとか、犬を病院に連れていくから3時になるよーとか、そういうぬるーい感じでやってました。暗くなった頃にお弁当頼んで食べながらやって、夜中の12時くらいに終わって、呑みにいくかってでかけて。明日もまた昼ね、っていって解散。
金谷:あれは楽しかったですねえ。今週土日は合宿だって金曜の夜からワクワクして、明日の為に準備しなきゃって。
ガイド:そんなに開発は楽しかったんですか?
橋本:だって誰もやってないことじゃないですか。5人で手弁当で作ってること自体今のゲーム業界じゃありえないことなので、それがもう楽しい。5人で作って発表までいけるのかどうか分からないところがまた楽しい。港から船出して、どこいく? あっちの方いこうか、みたいな。船漕いでるのがもう楽しいって感じ。
金谷:たぶん5人くらいっていうのも、丁度いい人数だったんです。よくある40人とか、50人、100人で作っていると全体が見えないじゃないですか。でも5人で作ってるものだったら隅から隅まで見えてるわけです。分からないことがあればすぐ聞けばいい、5分で答えが返ってきます。
ちょっとできましたーって言って、今ロム焼きますからってみんなで集まって、ちょっと遊んでみてこここうした方がいいとか言いあって、それをまたみんなで作るというのを何度も繰り返してできあがっていくんです。
アルキメDSは自分たちで世に出していきたかった
答えが揃ったら、親が好きな順番で発表していきます。発表された答えをタッチすると、上画面に大きく表示することもできます |
橋本:そう、まずひとつは任天堂さんに売ってもらうという選択肢があります。開発現場であるスキップさんは既に任天堂さんと契約ができているので。ただし、任天堂さんもそうだし、他もそうだけど、よそのパブリッシャーから出すとなると、どうしてもそこの意向がでてきます。例えば、1人用が必要だといわれるかもしれない、キャラクターを入れて欲しいといわれるかもしれない。アルキメDSに関しては西健一も、僕らもそれが嫌でした。じゃあ自分たちで売ろうよ、ということで、スキップがパブリッシャーをやることになりました。
ガイド:パブリッシャーとは、ゲームソフトを販売する販売元のことですね。
橋本:そうです。ただ、大きな問題がありまして、そもそもスキップってパブリッシャーの機能ないんですよね……。ここにいる矢島も元々は広報ではなくて事務の女の子ですから。2007年の3月くらいに、広報に任命されただけですから。
矢島:私は実は西さんとはお話したこともそんなになかったんです。いきなり電話がきて、10分くらい僕はこういうのをやりたいって、どういうプランがあってみたいな話をしていて、私はその間ずっと、はい、はい、はいって、はい分かりましたって(笑)ひきこまれました、ホントにもう。
でも始めてみると実はこれもしなきゃいけない、あれもしなきゃいけないっていっぱいあって。リリース作らなきゃ、リリースってどこに送るの? なんていう感じで。
まさに手探り状態でアルキメDSが世の中にでていく準備がなされていきます。