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たった5人で作ったゲーム アルキメDS

ゲームソフトの開発費高騰が叫ばれる中、たった5人が、手弁当で、土日や暇な時間を使い、とうとう発売までこぎつけたタイトルがあります。その開発の現場の秘密に、直撃インタビューでせまりたいと思います。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

たった5人でゲーム開発はできる

矢島さん、橋本さん、金谷さんの図
左から、広報の矢島さん、プロデューサーの橋本さん、そしてプログラマーの金谷さんです
今、ゲーム業界は開発費高騰という大きな問題を抱えています。ゲームハードの性能があがり、新しいことができるようになり、ボリュームはどんどん増大し、ひとつのゲームに数億円から数十億円をかけて開発されるようになりました。

そんな中、たった5人が、手弁当で、土日や暇な時間を使い、たった1台のノートパソコンで開発し、限りなくゼロに近い開発費で製作されたゲームソフトがあります。2007年7月19日にスキップから発売される、アルキメDSというタイトルです。

今回、アルキメDSを開発したアルキメ制作委員会からプロデューサーの橋本 徹さんとプログラマーの金谷 文洋さん、そして発売元であるスキップからアルキメDSの広報を担当している矢島 さゆ理さんにお話を聞くことができました。たった5人でゲームを作るその現場の秘密を聞いてみたいと思います。

アルキメDSってこんなゲーム

アルキメDSをやる図
インタビューは渋谷のとあるオープンカフェで行いました。アルキメDSを始めると、大人4人がDS片手に大盛り上がりです
お話を伺う前に、アルキメDSがどんなゲームなのか、体験しなくては話にならないということでまずプレイしてみました。驚いたことに、アルキメDSは1人用がありません。ニンテンドーDS(以下DS)のDSダウンロードプレイ機能を使って、必ず2人から4人の複数人でプレイします。今回ガイドを含めて丁度4名なので、全員でプレイ開始です。

ゲームをはじめると、4人の中1人が親となります。親はタッチペンを使い、自由にお題を描くことができます。お題は他の3人にも送られ、DSの上画面に表示されます。そうしたら今度は全員でそのお題に対する答えを、やはりタッチペンを使い、書くことになります。

どんなお題を出すか、どんな答えをかくか、一切の決まりはありません。1番初めに親になったプロデューサーの橋本さんから出されたお題は、クレヨンしんちゃんの似顔絵を描け、でした。ク、クレヨンしんちゃん……。曖昧な記憶を辿って何とか描きあげ、ふと隣を見るとプログラマーの金谷さんが真剣な眼差しで一心不乱にタッチペンを動かしています。で、できる……!!

全員が書きあげると、親の所に全ての答えが集まり、好きな順番でみんなの答えを公開していくことができます。みんなの答えをみながらニヤニヤしている橋本さん。うーん、ドキドキです。まずは一心不乱に描いていた金谷さんの答えから。う、うまいー!? まさしくクレヨンしんちゃんそのもの! その後、橋本さん、そしてガイドと、クレヨンしんちゃんというよりはただの子供といった風情の絵が公開されて、場に笑いがこぼれます。

全員の答えが公開されると、今度はそれらに点数をつけていきます。1人3点ずつ持ち点がありまして、自分に3点いれるのも、色んな人に1点ずついれるのも、全て自由です。ちなみにひとつ目のお題で1番得点が高かったのは見事にクレヨンしんちゃんそっくりに描いた金谷さん……ではなく、ガイドの下手な絵も及ばない謎の生き物を描きあげて場を沸かせた広報の矢島さんでした。こういう所にプレイヤー達の性格が出ちゃいますね。

お題をもらう時のワクワク、自由自在に答えを書ける楽しさ、そして発表のドキドキがたまりません。も、もう1回! を繰り返していつの間にか30分以上もゲームに没頭してしまいました。

【関連サイト】
アルキメDSの詳しい遊び方が知りたい方はこちら
これが遊び方!(Archime-ds.com)

このまま楽しんでいてはインタビューにならないと我に返り、まず、どうしてこんな不思議なゲームを作ることになったのか、そのきっかけから伺うことにしました。
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