普段ゲームをしない人に普及していった脳トレ
脳トレは初動(発売週の売上げ)で約4万本を販売しています。累計で300万本以上を売り上げている現状からすると、少し寂しいように思うかも知れません。しかし、もともとこういったツール系のソフトは1万本売れればヒットというようなものでしたから、初動4万本は異例の大ヒットと言える数字でした。実際、お店では売り切れが相次ぎました。この後、脳トレは毎週数万本というレベルで細く、長く、売れ続けます。もともとこの手のソフトは既存のゲームユーザーが殺到する類のソフトではありません。しかし、今までに無いゲームとしてメディアにも取り上げられ、ゲームをしなかった人にも広がる形でゆっくりと売れていきました。
脳トレが今までゲームをしなかった人を取り込んでいるということを確信させる出来事がありました。敬老の日の直前、それまで横ばいだった脳トレの需要が跳ね上がって初動をこえるセールスを獲得したのです。恐らくこれは敬老の日の贈り物として買われたという格好でしょう。子供でも、ゲーマーでもなく、大人や、あるいは高齢層にまで脳トレはゆっくりと浸透していったのです。
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脳トレのヒットがツール系ソフトを花開かせる
ゲームハードが台所にある風景なんて、少し前では考えられませんでしたね |
脳トレの続編であるもっと脳を鍛える大人のDSトレーニングを筆頭に、英語が苦手な大人のDSトレーニング英語漬けやしゃべる! お料理ナビ、いまさら人には聞けない大人の常識力トレーニングDSなど、いずれも数十万本から100万本以上のヒットを飛ばしています。
これらのヒットは、多くの人へDSというハードの見方を変えさせます。ソフトメーカーは既存のゲーム以外のソフトの開発を考え、ユーザーは大人も子供も、自分のスタイルに合わせて、ゲームを楽しむ人はもちろん、脳活性に使ったり、お料理に使ったり様々な場面で使われるようになっていったのです。
脳トレのヒットを下地にして、DSに多様なソフトが生まれていきます。そして、DSはその役割をさらに広げていくことになるのです。