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アスリート天国!アディダス本社訪問記(2ページ目)

アディダスと契約した三村仁司氏が、アディダス創立地ドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハにあるアディダス本社を訪れた。技術・開発スタッフと意見交流し、アディ・ダスラーの息吹に振れた。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

スタッフ国籍は53カ国にも

テストセンター
テストセンター
建設中の新テストセンター
建設中の新テストセンター
リゾートの高級カフェ?いえ、食堂です
リゾートの高級カフェ?いえ、食堂です
4月末に三村はアディダス本社を訪れた。タクシーの運転手に「アディダスへ」と指示すると運転手は「アディダス ワールド オブ スポーツね」と復唱する。アディダスは、このエリアに本社の他、テストセンターやアウトレットショップ、競技場、ホテルなどを、4カ所14万ヘクタールという途方もない広さに展開させている。本社勤務社員は1800人。その国籍は53カ国に及ぶ。まさにグローバル本社だ。世界中の情報、知識、経験、技術、知恵、需要が集約され練り上げられて再び世界に発信される。

最先端の技術開発、イノベーションを行う

まず、三村は本社からさらに車で40分ほど離れた場所にあるテストセンターを訪れた。この施設は本社社屋に隣接する来年完成予定のビルに移転が決まっている。このテストセンターでは、主として素材開発とテストが行われる。アディダスのイノベーションチームともいうべき位置づけで、スタッフは会社の中でいえばロケットのような物を作っている。シューズ、ボール、ウエア、エレクトロニクス……。アスリートを中心とした様々なもの、選手の内面も含め多様なカテゴリーでイノベーションを行っている。

選手やスタッフの要望を受け、プロトタイプを作り出しテストを行い改良し再びテストしの繰り返し。完成といえるのは選手が成果によって証明したときだ。

工場のような建物の中には、さまざまな測定器具・設備がある。超低温から高温にわたる気温、0%から85%に及ぶ湿度、風力も作り出す。数多くの路面状況(砂や芝生も)を設定してのテスト、クッショニングテストなど。外的な要因だけでなく、アスリートのメンタリティーの変化をも測定条件に入れた設備、それらの装置のうちのあるものはフィールドに持ち出して使用することも可能だという。

エナジー研究チームマネージャーのポール・スミス氏は「将来的にはパーツの数を極力減らし、モノコックのような形でいかに良いシューズを作るかということになるのではないか」という。
「今はおもちゃみたいな物も試作しているけど、基本は将来において実際にアスリートが履くものを作るということです」と。

三村氏の興味は、どちらかといえばカスタムシューズと素材開発に注がれていたようだ。個々の選手ごとのアライアンス(足と脚との関節角度)の違いへの対応や、EVA(ランニングシューズのミッドソールに多用されるスポンジ素材)の進化またはそれに代わる素材開発についてなど。
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