誰もが最高だというロンドンマラソン
ボランティアが観客に応援ガイドブックを配布中。エリートランナーのコスチューム付き紹介もある |
先導白バイならぬチェックバイ |
土産物露店で売っているキャップだから、大陸からの応援かな |
世界文化遺産のロンドンタワー前からタワーブリッジを望む。あの橋のゲートを駆け抜けてくる |
お馬さんも警備に |
ウエストミンスター前からはあと1km少々 |
筆者はこれまでロンドンマラソンは走ったことも見たこともなく、以前から一度はロンドンマラソンを走りたい、走れなければ見たい、それもだめならコースだけでも走ってみたいと思っていたが、たまたま今年そのチャンスがやってきた。アイスランドの火山噴火で最も開催が危ぶまれた今年の大会にそのチャンスがやってくるなんて、運がいいのか悪いのか? たぶんいいのだ。
ロンドンマラソンを走ることはできなかったが、取材パスを入手して参加選手を応援し、取材し、選手を追って歩道を延々と歩き、大会の前後にはコースのあちこちを走り、たっぷりとロンドンマラソンに浸ることができた。なんといっても観客だって大会に参加しているのがマラソンなのだから。
ロンドンに入ったのは、大会前日の4月24日午後。残念ながらロンドンマラソンエキスポは見ることができなかった。エキスポは3日間開催されたが、最終日に当たる24日は17時の閉場。筆者がヒースロー空港に着陸した時間が15時を回っていたし、会場は空港から離れていたから不可能というほかなかった。これは噴火のため、それ以上早く到着する便が取れなかったためだ。
マラソンエキスポもすごいらしい
エキスポ会場に行った人の話を聞くと、とにかく広い会場らしい。大会スポンサーであるアディダスのブースだけでも、東京マラソンエキスポ会場公式スポンサー分会場のすべて(全体のほぼ半分)はあったという。同じくアディダスがサポートしているベルリンマラソンのエキスポ会場より格段に広い。そこで、大会ロゴの入ったアディダス製品もバカ売れだったとか。おかげで、レース翌日にロンドン市内のアディダスパフォーマンスシセンターに行ったが、大会オリジナルウエア類は品薄でサイズ不揃いだった。ポンドが安くなったというのに惜しい。選挙よりマラソン?
ホテルへ向かう途次、コースとなる道路脇には大量のフェンス、横断幕、マイルゲートなどが運び込まれていた。ロンドン最大の年中行事に向けて着々と街が波打ってきている。与党が過半数割れを起こした英国議会選挙投票日(5月6日)の直前であったが、そんな重大選挙戦が行われている気配もポンドの下落もみじんも感じられない。暗黙の内にマラソン休戦でもしているのだろうか。宿泊ホテルにはプレスセンターが置かれ、招待選手の宿泊ホテルにもなっていた。ホテルスタッフも紺ブレにネクタイではなく、ロンドンマラソンのロゴ入りのポロシャツ着用。ロビーには赤いスタッフジャケットが充満し、見知った選手がロビーを横切り、リフトに相乗りになる。ワンジル、ケベデ、レル、ムタイ、アデレ、ベケレ、タファ、ディタ、白雪……。もちろん日本人選手も、山下佐知子監督や森岡芳彦監督や赤羽周平コーチも。
お互いに顔見知りなら敵情視察を兼ねて声をかけあっている選手がいる一方で、経験少ない選手は身を固くしており、緊張した鋭い視線が突き刺さってくる。すべては25日朝に向かって。