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必ず実現できる!サブスリー育成講座開始(3ページ目)

今シーズン、市民マラソンランナーの勲章ともいわれる「サブスリー」に挑戦して念願が叶わなかった人に、次のシーズンでぜひサブスリーランナーになっていただくための講座、再スタートです。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

「若い」だけでサブスリー達成の可能性は高い

若ければ、練習量で押し切ってサブスリーを達成することも困難ではないと思います。株式会社アールビーズが行っている年齢別マラソンランキングによれば、若ければサブスリーになったぐらいでは全国100位にも入れないのです。そのくらいサブスリーと若さは関連性があるということが言えます。

では、若いと言うことはどんなアドバンテージがあるのか考えてみると、次のような点があげられるように思います。

・疲労しにくい
・体力の回復が早い
・練習時間が多くとれる(人が多い)

若ければそれだけで達成できるが

若さは、まさに無敵です。伝統的に「山手線1周WALK」を実施している大学のクラブがあります。特に新入生歓迎(?)行事(したがって5月頃の実施が多い)や大学祭などのイベントとして実施されることが多いのですが、これに同行取材したことがあります。山手線1周WALKコースは約50km。50kmのウォークはかなりたいへんです。マラソンの経験がある人でも、50kmを歩いた経験を持つ方は少ないでしょう。現代の中年の人がいきなり歩ける距離ではありません。

しかし、大学生ぐらいだと、受験勉強ばかりやってきて運動不足の1年間を過ごしてきた新入生も、とにもかくにも足を引きずりながらでもとにかく50kmを歩いてしまいます。これが若さ、だと思います。

マラソンでも同様で、20~30歳代でしたら、よほど序盤のペースを間違えさえしなければ、長距離の練習経験が少ない(月間走行距離が200kmに満たないような)人でもサブフォーぐらいは簡単に達成すると思います。ちょっと走り込めばサブスリーに達するのにそう時間はかかりません。

40歳からでも工夫次第でサブスリー

しかし、肉体的に下り坂に向かう30歳を超えると次第に、困難さが増してきます。肉体的に衰えてくるので、それをカバーするために練習量を増やして肉体改造しようとしても、仕事や家族のことに責任が重くなってきて練習時間を増やそうにも限界が生じます。それでも、40歳からランニングを始めたような方でも、サブスリーぐらいだったら工夫次第で可能だというのが私の持論です(ましてサブフォーぐらい)。

野村監督の名言「負けに不思議の負けなし」の言葉通り、サブスリーを達成できない理由にはわけがあります。また一方、サブスリー達成の特効薬はありません(ドーピングでもすれば可能かも知れませんが)。

サブスリーへの近道は、諸条件のバランスを取ることが大事で凹みを減らすことだと、「サブスリー輩出プロジェクト1 弱点を補強」「バランスがよければ、サブスリーは可能」で説明しました。凹みを減らす工夫、弱点強化の工夫がサブスリーに導いてくれます。

マラソンは工夫のしがいがあるスポーツ

マラソンは地味な競技で、ストイックともいえそうな(ほとんどの人が嫌いな)地道な努力が記録を伸ばす上で絶対に必要と考える人が多いようなのですが、必ずしもそういうものではありません。努力より工夫のしがいのあるスポーツだと私は思っています。何かを作ることが好きな方にとってぴったりのスポーツではないでしょうか。自分の工夫の結果を自分で確かめて、また工夫を積み重ねるというスポーツなのです。一時の情熱を爆発させて結果に反映するというようなスポーツではありません。

逆にいうと、工夫することに面白みを感じない方には、向いていないスポーツかもしれません。コーチに言われるとおりにトレーニングを積んで結果を出したとしても喜びは少ないでしょう。ましてや失敗すれば走ることがいやになってしまうだろうと思います。

川内選手、高見沢選手を仰いでサブスリーを

市民ランナーがマラソンに向いている一つの理由は、外部コーチがいないということです。自分が自分のコーチですから、思うように工夫できるという恵まれた条件にあります。ただ、情報量が少ないとか練習環境、条件に恵まれないというハンデがありますが、それは他と比較するからです。サブスリーが目的なら、比較の対象は過去の自分と同じような条件であることが分かっている走友くらいです。

その恵まれない練習環境や条件をどう克服するか、そこでまた工夫する楽しみが生まれます。劣った練習環境や、年齢的にも高いというマイナス条件で勝ったり、レベル以上の記録を出したときの喜びは大きいものです。

東京マラソンで、公務員ランナー川内優輝さんが優勝候補と目された佐藤敦史選手(中国電力)にわずか1秒という差で4位に入賞し、賞賛を集めました。2008年北海道マラソンでは佐久長聖高校コーチの高見沢勝さんが優勝し注目されました。

二人とも大学で長距離選手でしたが、マラソンに本格的に取り組んだのは大学を卒業してからでしょう。恵まれない練習環境にありながらプロともいえる実業団選手をしのぐ成績をあげた喜びは、とてつもなく大きかったのではないかと思います。サブスリーのレベルとは異なる世界かも知れませんが、自分で工夫することが彼らの偉業達成の基盤にあることは明らかです。

そう、お楽しみはこれから、工夫次第だということです。その工夫は次回から。



<関連リンク>
フルマラソン、サブスリー潜在力を測定
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