シューズベスト5選出の無理難題さ

写真撮影協力=ABC-MART銀座店
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「初心者におすすめのランニングシューズを5つ選んでほしい」との要望が多数ありますが、この種の依頼があるたびに実はガイドはとまどっているのです。シューズを格付けすることは、風邪薬を格付けするのに似ているからです。

風邪薬のベスト5を選ぶなんて条件なしにできますか? 鼻水に悩んでいる人に解熱効果をうたった風邪薬は役に立ちません。逆もまたしかり。個々の症状や体質、年齢等によってその時のベスト5の風邪薬は選び出せると思いますが、誰にとっても該当するベスト5の風邪薬なんてあるわけはありません。ランニングシューズも同様です。

使用する人が平日も週末も終日モニターにかじりついているような方なのか、週末にはテニスやサッカーをなさっている方なのか、標準体型かメタボ体型か、身長はどのくらいあるのか、学生の時に運動部で運動をしていたのか否か、問題のないフォームで走るのか男性に多いO脚か、道路を走るのか未舗装の公園内を走るのか……。

私にいわせれば、風邪薬を選ぶより考慮しなければならない条件が多いと思われるのが初心者向けランニングシューズ選びです。エリートランナーのシューズのほうが求められる機能は単純なので選択しやすいといっていいくらいです。

初心者向けランニングシューズのベスト5を選ぶという企画は、このように無条件で選ぶことは不可能なので、使用条件を限定した上でのベスト5を紹介します。

想定は多少運動したことがある運動不足の標準体型

写真撮影協力=ABC-MART銀座店
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年齢25歳くらいから脂肪代謝が悪くなるようで、肥満度も増してきますが、体重は標準体型とします。やはり25歳くらいから筋力は低下を始めますが、週末だけでも運動習慣があれば、30代までは大きな筋力の低下はありません。

中・高校生時代には本格的とはいえないまでも運動部に所属し、練習でのランニングの経験もあり、プロネーション傾向が特に大きいとかひどいO脚ではない。ランニングを始めた理由は、やや肥りだしたのと体力の低下を感じるようになってきたからで、走る場所は基本的に舗装路、走る距離は5kmぐらいが多い、というようなモデル像を念頭に選択しました。

走る楽しさを感じさせてくれるシューズを

これとともに重視したのは、走る楽しさを感じさせてくれるシューズか、ということです。ランニングの楽しさは、やはりスピード感や跳躍感にあります。自分の脚で跳ぶ、という感じ。このためには、少なくとも自分の力が地面によく伝わっている感覚が得られること、そして反発力です。ひとことでいえば軽快感とでもいえるでしょうか。

プロネーション傾向はソールの減りで判断できる

メタボか否かは、ご自分で判断できるとして、自分の着地が着地時のプロネーション傾向が強いか否かはわかりにくいと思います。この判断には、普段履いているシューズのソールの減り具合を見てください。

オーバープロネーション傾向がある方は、カカトの外側の減りが早く、前足部では内側が減ります。このほかにソールの側面で着地する方もいます。これもソールの減り方を見るとわかります。このような方は、別途選んだ安定性に配慮したコントロールモデルをおすすめします。

今回のベスト5モデルをおすすめできる方は、カカトのソールの減りが少なく前足部もセンター部分が減っている、いわばまんべんなく減っているニュートラルな着地をしている人です。安定性にはそれほど考慮する必要がありません。

安定性に配慮すると重さに反映

安定性に配慮したコントロールモデルは、ソール面積が増えたりやや硬めのクッション材を部分的に使用するとか、シャンクを大きめにして捻れ剛性を高めるとか、足の包み込みをかっちりとするなど、安定性に配慮した装備が増える分やや重くなりますが、これはやむを得ません。