ランナーにとって、もっとも重要なグッズといえばシューズ。ピッタリサイズのシューズを履くか否かで、記録も快適さも故障も違ってきます。でもピッタリサイズのシューズに巡り会うのが難しい……。特に左右の足サイズが異なる人にとってはほぼ不可能という難題。この問題を解決するにはオーダーメードするか、別サイズで2足買うしかありませんでした。

この難題にチャレンジしたシューズショップがついにオープン。ランナーの悩みを解決してくれるかもしれない左右サイズ違いスポーツシューズ専門店「アシンメトリーシューズ」を訪ねてみました。

高橋尚子選手もワンサイズ差

左右違いスポーツシューズ専門店「アシンメトリーシューズ」をオープンした佐々木裕代表
左右違いスポーツシューズ専門店「アシンメトリーシューズ」をオープンした佐々木裕代表
「アシンメトリーシューズ」をオープンしたのは株式会社シーンシフター代表取締役の佐々木裕さん。

「フットサルをしていて、友人が左右違うシューズを履いているので聞いてみたら、足のサイズが違うので仕方ないというんですね。私も3mm違っていたし、調べてみたら左右違う人がかなりいたので、これは商売になるかなと」

思い切りよく10年以上つとめていたIT関連企業を退社して、左右のサイズが異なるシューズ販売のWEBショップをオープンしました。

人って左右対称のようでいて、完全に対称の人なんていないですね。特にアスリートは、利きによって左右のアンバランスが甚だしいようです。テニスプレーヤーの腕とか、野球の投手とか、跳躍や投てきの選手も相当に左右アンバランスでしょう。

さて、肝心のランニング。左右同じように動作しているので左右均等に鍛えているはず、あるいは等しい力を持っているのが理想と思いますが、そうはいかないようです。高橋尚子選手の左右の足の長さはワンサイズ違う上に、脚の長さまで違っているとか。実際にある調査結果では、左右の足の長さが同じ人はわずかに15%、ほとんどの人は左右の足サイズが異なっているわけです。

足に合わないシューズは故障の原因に

左右の足の長さの違いは、走りに影響してしまいます。足が長い人は着地時間が長くなるはずですし、もし足の長さが違っても着地時間が同じなら違う筋肉が働いて微妙に調整しているはずです。

大きいサイズの足に合わせてシューズを選ぶと、もう一方のシューズは足にとって大きめということになります。ジャストサイズの足はうまくキックできますが、一方の足は爪先が遊んでしまって力が入りません。また、短い足のほうにサイズを合わせれば、大きい足のほうは窮屈になります。指先を伸ばせず、長い距離を走っているうちに爪先が痛んでくるとどうしても着地時に足をかばうようになり、左右の脚の運びがちぐはぐになります。これが結果的に膝、腰などの故障につながってきます。

ガイドも故障の連鎖を体験

実は私も左右の足サイズがかつて4mmほど違っていました。うっかり小さいサイズで合わせてしまうと大きい方は指先を痛めますし、靴下の爪が当たる部分にはすぐに穴が開いてしまいます。甚だしいときは、シューズにも穴が開いたことがあります。

最近は必ず大きいサイズの足で合わせるようにしていますが、今度は小さいほうの遊びが大きく、靴の中で足が遊んでしまいます。靴紐を締めて動かないようにすると靴紐が長~く余ってしまいます。

これまでに半月板損傷、肉離れ、座骨神経痛などいろいろと故障を経験してきましたが、故障が左右均等に生じたことはありません。故障すると、故障箇所をかばおうとして違う箇所に故障を起こしたり、もう一方の足への負担が増えてそちらが故障したりと、故障の連鎖が生じてしまいます。実際にそんな経験をしてきました。