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感謝の言葉が生む、テニスの本質(2ページ目)

プロでなくても、スピーチ=言葉・会話の大切さはプレーをするときにも非常に重要な要素になってきます。そこで今回は、テニス上達のために気にして欲しい「言葉」「会話」の力についてご紹介していきましょう。

執筆者:吉川 敦文

感謝の言葉が動かす人の気持ち

テニのススピーチ
車いすテニス日本代表監督の丸山弘道氏
「コーチの言葉を胸に闘いました」

これは、車いすテニス日本代表監督である丸山弘道さんが、車いすのテニスプレーヤーからもらった一言だそうです。丸山さんは自身のブログで以下のように書いています。

「本当に目頭が熱くなりました。正直な話、泣きました。小生としては、私のできることはなんでもします……という気持ちを胸に、いつも選手に対して接しています。(中略)大会のディレクターを行っており、とても完璧な手綱さばきを行っていたわけでなく、キャパ超え寸前の状況に置かれており、それでも小生を支え続けてくれているスタッフに感謝していた最中に、選手からの普段から聞きなれていない一言がダメ押しに……」

続いて、その言葉がコーチとしての丸山弘道さんにどのような影響を与えたかについては、下記のように述べています。

「選手からのこのような一言が『明日への活力』に繋がり、『コーチとしての自信』に繋がるのです。本当に今すぐにでも、がんばりたくなった一幕でした。その選手の気持ちの奥底にある感謝がとても良く伝わり、今までよりもさらに、この人のために……と心に誓ってしまいました。ありがとう」

本当に苦労したからこそ出てくる言葉

テニのススピーチ
選手のふとした言葉が、深い意味を持つこともある
「あの時、続けていてよかった」

これはガイド自身が今年ジュニアを卒業した18歳の選手からもらった言葉です。彼は中学時代にまったく勝てないところから、本当にひた向きに練習し、2年生でインターハイ出場(2回戦)したのをはじめ、3年生でもさらなる成長(ベスト8など)を見せてくれた選手です。コーチと卒業生で毎年行われる追い出し会でのこと。スピーチでテニスクラブとの出会い、苦しかったこと、乗り越えたこと、今後のこと、後輩への想い、コーチへの感謝などを話してくれました。

18歳の青年にとっては人生をかけるといっても過言でなかったと思います。苦しくても悔しくても逃げずに立ち向かう。結果をだした喜びも、結果がついてこない悔しさも大きかったと思います。彼はそれをしっかりと言葉にして表現していました。18歳の青年とは思えないほど、深く素敵なスピーチでした。ここまでくると自然に尊敬の念がこみ上げてきます。

言葉にすることで自分がどういう立場にいるかを認識し、そこに本人の本気の努力や思いが加わると、深い言葉に変わってきます。聞く人の気持まで変わって行きます。「ありがとう」、そして感謝の気持ちが伝わったとき、言葉は本当の意味を帯びてくるのかなと思います。



<関連リンク>
丸山弘道公式ブログ
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