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テニスが上達しない理由とは?(2ページ目)

テニスが上達しなくて悩んでいる人、多くいます。たとえばラリーが続かない人と、ボールが途切れない上級者との違いは、どこにあるのでしょうか? 今回は「フォーム」に絞って、その理由を探ってみました。

執筆者:吉川 敦文

最も大切なのは「適応力」

テニスフォーム
後ろ足に体重がのったままボールを打つこともある。あらゆる想定をするのが練習の意味
もちろん理想的な打ち方(フォーム)はあります。関節が動く範囲内で、力の入れやすいところで打ち、ストレスなく振り切れるフォームが理想でしょう。ただし、良いフォームを求めるあまり型にはまってしまってはテニス本来の多様性が失われ、いろんな状況に対応できなくなります。

テニスで最も大切なポイントの一つを挙げるとすると、それは「適応力」。フォームを固めることとは逆に、いろんな状況に応じて、さまざまなフォームで打てるようになることが大切です。しかもこれはレベルを問わず、テニスを始めたばかりの初心者のうちから意識しておくといいでしょう。

そのためには、初心者のうちからゲームの得点や、狙い(打つコース)を定めること、相手との駆け引きなどを意識しながら練習するように努めましょう。フォームは、ゲームの状況を意識しながら打っているうちに自然に出来上がります。

フォームは自然と現われる!

プロテニスプレーヤー岩見亮
テイクバックの大きさやスタンスは必要に応じて変わる。写真はプロテニスプレーヤーの岩見亮選手
例えば、1メートルほど離れたところのゴミ箱にフォアハンドストロークで入れるように、狙いを定めて打ちます。そうすると、肩口まで全力で振り切る人はまずいません。テイクバックもフォロースルーも自然と小さくなるでしょう。これがフォームです。

次にコートに立って深いボールを打ってみようとすると、今度はボールを少し高く持ち上げるように振るでしょう。テイクバックが大きくなるかもしれません。フォロースルーは、1メートル離れたゴミ箱に入れる場合よりも高く大きく振り切られるはずです。

あるいは片手打ちバックハンドは、体を開かずに打てと教えられます。しかし、ボールを打つ動作には必ず体の回転を用います。深いポジションから深く打ち返そうとすれば、体の回転はより大きくなることが多いです。フォームとは、このように状況に応じてコロコロ変わるものなのです。

長くテニスをやっていても、うまく打てなくて悩んでいる人がこれほどまでにたくさんいるのは、なぜなのか? その原因は、フォームにあるのではありません。実は状況に対応する「適応力」が備わっていないことが、大きな原因なのです。



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