森田あゆみの夢は…
記者会見でフラッシュを浴びながら、まだ15歳の森田あゆみは当初、はにかみながら記者からの質問に答えていた。しかし、将来の夢に質問が及ぶと表情は引きしまり、きっぱりと「グランドスラムジュニアで優勝することです。」言い切った。競泳の北島康介、柔道の谷亮子がオリンピックや世界選手権を控え、大きな目標を公言したときの「この選手ならやってくれそうだ」というただならぬ雰囲気、確信に近い期待に酷似していた。テニス界の有言実行選手となる可能性大である。森田あゆみの経歴
弱冠15歳。コートを離れれば、ごくごく普通の高校1年生。とはいえ世界に目を向けるとニコル・バイディソバ、セシル・カラタンチェバという今、注目を浴びる同い年の選手がいる。バイディソバ、カラタンチェバともにパワーとスピードを武器にWTAツアーで結果を出し、ランキングを着実に上げ、将来を有望視されている。森田あゆみと両選手を比較した場合、体格の差があるがゆえ、パワーとスピードはまだ劣るものの、体の柔軟性という面では森田あゆみが優っている。しかし心配無用。これからトレーニングを積み、世界レベルでの試合を重ねることでパワーとスピードも十分対応できるようになるはずだ。まだ15歳。まだまだ、これからの選手である。
何より森田あゆみの最大の魅力は、勝負に対するこだわり、決して最後まで萎えることのない闘争心、相手が誰であれ貫き通す攻撃的テニス。その森田流テニスが見るものの心を惹き付ける。
今年の全仏ジュニア準決勝で森田あゆみが熱戦を繰り広げているコートを取り巻いていたのは、世界各国の有名アカデミーのコーチ陣、テニスメーカー、マネジメント会社などなど、既に世界中のテニス関係者が注目する程の選手なのである。
杉山愛を育てた丸山淳一コーチ曰く、素質は杉山以上と断言。グランドスラムベスト4。これはシングルスで伊達公子選手が残した日本人最高のグランドスラムでの結果である。森田あゆみが、世界のMORITAになったとき、この記録を塗り替えるかもしれない。いや、森田あゆみに塗り替えてほしい。
有言実行、先ずはジュニアグランドスラムタイトルを!!!