タイガー・ウッズのパター変更
11年愛用したパターを変更し、新たにタイガー・ウッズが使用した「NIKE METHODパター 001」 |
実戦投入された09年には、早くもメジャー2勝。フェース面に、曲がったパターンの溝が入っているのが特長で、その溝にはポリマーが充填されているという「ポリメタルテクノロジー」を採用。複数の素材の特性を生かしたテクノロジーと、プロが好むミルドパターのフィーリングを備えた、未来形パターです。
ナイキと契約して、早14年。タイガー・ウッズは、パターを替えてはじめてバッグの中のクラブのすべてがナイキ製になったといいます。
タイガーは、パターを替えた理由をセントアンドリュースの比較的スピードの遅いグリーンに対して、アジャスト(調節)するためということでした。タイガーは、もともと遅いグリーンが苦手で、全英オープンが行われるリンクスコースでグリーンのタッチを合わせるのに苦労しており、転がりの良い「NETHODパター」に変えることで対応しようという意図を持っていたようです。
しかし、全英オープン三日目までのタイガーのパット数は、一日目32、二日目32、三日目35という、トッププロとしては考えられないほど悪い数字でした。
最終的に、4日目にはタイガーは、従来の「ニューポート2」に戻す選択をしました。結果パット数は27。結果だけ見れば、タイガーのパター変更は完全に失敗だったと言わざるを得ません。
もっとも、これほどのパッティングの悪さは、パター変更だけでは説明がつきません。以前からのパッティングへの不安、コースへのアジャストへの不安から、パターの変更に踏み切ったものの、それがかえって自分のフィーリングを見失ったというところではないかと想像します。
パターの特性にフォーカスすると、やや硬めのフィーリングをもつ「ニューポート2」と、グルーブ(溝)やポリマー素材を採用した「NETHODパター001」では、ボールを打った感触と音はかなり変わります。
そして、タイガーはほんの少し前にボールも変更しています。打感や打音などのフィーリング、距離感は、ボールとフェースの硬さによって得られるのです。両方を変えてしまっては、以前のフィーリングを失ってしまうのもある意味当然という気がします。
しかし、タイガーは世界No.1のプレーヤー。そうしたセオリーを超えて、スーパープレーをみせてくれるのでは、とガイドは期待していましたが、今回はそううまくはいきませんでした。
パターの特性、フェース面の素材、ボールの感触、いずれもパッティングに大きな影響を与えるものですが、我々アマチュアゴルファーの間では、それほど知られていないのが現状。ご自分のパターとボールを見直すと、また新しい発見があるかもしれません。
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