適正なライ角に調整を
測定後は、その場で適正ライ角に調整することが出来る。調整不可能なアイアンも多いので、まずは相談 |
アナライズで、これまでライフィッティングを受けたゴルファーの大半が2度程度アップライトで適正という結果が出ているといいます。もちろん、よりフラットなクラブがマッチしたゴルファーも存在します。いずれにせよ、クラブのカタログ上の数値そのままで適正なゴルファーは、意外に少数。そのことだけでも、調整の必要性を感じます。
また、アナライズでは、これまで1000セット以上のアイアンを測定し、市販のアイアンでそもそもカタログ値通りのライ角(ロフト角含む)だったものは、全体の5%にも満たなかったといいます。ガイドも、番手間でライ角度が逆転していたり、大きく数値が狂っているセットに何度も出会ったことがあります。1本だけ引っかかったり、つかまらなかったりする番手がある事がありますが、そうした場合は、クラブが原因のケースが多いですね。残念ながら、市販されているアイアンセットでは、現状、何らかの調整が必要なケースがほとんどと言えそうです。
ちなみに、スイングや手の長さなど複数の要因によって変わってくるのですが、やはり身長の高いゴルファーは、アップライトなクラブ。身長の低いゴルファーには、フラットなクラブがマッチする傾向は確かにあるようです。身長183cmのマーク金井さんも市販品の平均に比べ、かなりアップライトなクラブを使用されています。
アナライズの計測結果を考えると、市販されている多くのアイアンが比較的フラットな設定といえます。その理由はわかりませんが、ゴルフメーカーで、身長が低めの方をユーザーに想定しているのでは、と考えるのが自然です。ちなみにアメリカモデルは、日本のクラブに比べて総じてアップライトな設定になっています。また、ゴルファーは極端な数字の変化を嫌う傾向にあるので、なかなかメーカーでもドラスティックに変えられないという側面があるのかもしれません。
以前、ブリヂストンスポーツから沼沢雄二氏デザインでライ角がかなりアップライト設定の「ACCESS」というブランドが展開されていましたが、商業的には今ひとつでした。ゴルファーは、革新的な性能向上を望んでいながら、スペックの数値や形状などが、大きく変わることを嫌う一面も持っています。それは、まさにゴルフクラブがもつゴルファーへの心理的影響を示す好例でもあります。見た目や数字から受ける印象なども、確かに実際のプレーに影響してしまうものなのです。