ゴルフ/ゴルフクラブ・用品の選び方

ゴルファーのためのウェッジ選び1(3ページ目)

ゴルフでのスコアメイクの決め手はアプローチ。その成否を司るウェッジの性能について3回に分けて、マニアックに紹介。1回目はヘッドの形状、素材、シャフトに至るまで、ウェッジについて深く考えます。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

グースネックのウェッジ

大ぶりな丸い形状、強いグースネックとバウンス角。日本のグースネックウェッジの完成形とも言える、ブリヂストン「J's チタンマッスル SW」。多くのツアープロが実戦で使用するなど大流行した
日本ではこれまでに独自のウェッジの流行がありました。例えば、リンクス マスターモデル。大きく張り出したバウンスと広いソール幅は、バンカーで大きな爆発(エクスプロージョンショット)を得るのに適しています。また強いグースネック(シャフトの延長線上よりもリーディングエッジが後ろにある形状)が、ボールの手前にヘッドが入るのを促しています。

ティアドロップ型が主流とはいえ、日本ではグースネックのウェッジに根強い人気があります。リンクス マスターモデルの流行も一因ですが、何といってもジャンボ尾崎プロのブランド「J's」が、90年代に大流行したことが一番の理由でしょう。「J's」はジャンボさん率いるジャンボ軍団のプロはもちろん、契約外の多くのツアープロが使用。他のメーカーも「J's」の形状に類似したクラブを多く開発しました。

「J's」のウェッジは、モデルチェンジを繰り返し、何種類も発売されていますが、どのモデルも強いグースネックとストレートなリーディングエッジが特徴。やや大ぶりで丸みを帯びており、バウンス角は強めです。

現在の主流は、ストレートネックに丸みを帯びたリーディングエッジ。ツアーで戦うプロが、ほんの10年前には正反対の形状のものを使用しているのは不思議な感じがします。それほど当時のジャンボさんの影響は絶大だったということでしょう。

この流行が少しずつ変わったのは、丸山茂樹プロの影響も大きいと思われます。丸山プロは、自信のモデル「MR-23 SW(通称 マルサンド)」に、強いグースを持たせていましたが、アメリカに主戦場を移した後、自身のモデルは代を重ねるたびにストレートネックに変化していきました。アメリカでは、グースネックのウェッジを使用するプロはほとんどいません。丸山プロの使用クラブの変化が、日本のゴルファーにも大きな影響を与えたものと推測されます。グースネックか、ストレートネックか、と議論されたのもちょうどこの頃です。

しかし、グースネックでバウンスが強いモデルは、ボールが浮くような日本の芝質に合っているといわれます。ライや地面の硬さなども左右するため、一概には言えませんが、確かにそうした傾向は多くのゴルファーが指摘しています。

アイアンは、現在もグースネックのモデルが多くラインナップされています。アイアンとの流れを重視した場合は、グースネックのモデルが扱いやすいこともあるでしょう。ハンドファーストなインパクトをイメージしやすく、今後もグースネックのウェッジのニーズはあるものと思います。

>>ウェッジの素材>>
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