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女王アニカ・ソレンスタム、引退の衝撃(4ページ目)

ゴルフ史に残る不世出のスーパースター、アニカ・ソレンスタムが37歳の若さで突然の引退を表明。改めて女子プロゴルフ界最強の女王の偉大な足跡を紹介します。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

フィジカルトレーニングを積極的に導入

本人によるレッスン書の日本語版『アニカ・ソレンスタム54プレゼンツ』
2つ目はフィジカルトレーニングの積極的な導入です。

ゴルフは他のスポーツと比べると身体を鍛えるという発想があまりなく、どちらかといえば技を磨く、スイングを作ることに重点が置かれています。ジャンボ尾崎が、シーズン前にプロ野球のようなキャンプを張り、体力づくりをするのはむしろ例外。

アニカ・ソレンスタムは、ゴルフ界でもっともトレーニングの成果を挙げたゴルファーです。プロデビュー間もないアニカは華奢な感じで、いかにも北欧の女の子といった風貌でしたが、ウエイトトレーニングやテコンドーなどを取り入れ、90年代後半から著しいフィジカルレベルの向上を果たしました。身体は2周り以上大きくなり、手足はがっしりとした筋肉で太くなっています。

前述のテクノロジーの導入と、トレーニングによる体力の向上で、アニカはプロデビューから40ヤード以上もドライバーの飛距離を伸ばしました。ツアーでも決して飛ぶほうではなかったのですが、フィジカルの向上とともにドライビングディスタンスでも上位にランクされるように。そのため代名詞となっていたショートウッドも外し、打ちこなすことにパワーの必要なロングアイアンをバッグに入れています。飛距離が伸びてもフェアウェイキープ率やパーオン率など正確さを示す指標では、むしろ成績が向上しており驚きに値します。

デビッド・デュバルがフィジカルトレーニングによって体型をシャープにしたあと大スランプに陥るなど、ゴルフ界では筋力トレーニングはスイングを壊す危険があると思われがちでした。しかしアニカの輝かしいトレーニング成果は、ゴルフ界にもフィジカルトレーニングの重要さを示したといえます。

>>限界を作らない54ビジョン>>
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