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大岡昇平『アマチュアゴルフ』を読む(5ページ目)

『俘虜記』『レイテ戦記』などの大作で知られる作家、大岡昇平は熱狂的ゴルファーでもありました。その大岡昇平がハンディキャップ22でありながら世に問うたゴルフレッスン本『アマチュアゴルフ』を紹介します。

絶版になったが、入手はできる

国内外を問わず膨大な資料を駆使して、太平洋戦争の激戦地となったレイテ戦について書かれた大作『レイテ戦記』
大岡昇平は週に3度も行くほどゴルフに熱狂し、70台をマークしたあかつきには『ベターゴルフ』というレッスン本を出す構想までもっていましたが、白内障を患い60歳を越えたあたりからゴルフから遠ざかりました。

余談ですが『アマチュアゴルフ』には、日本のフランス文学の泰斗、辰野隆による序文が掲げられています。中島敦の名作「名人伝」のモチーフとなった『荘子』の一説を引用し、いかめしくもゴルフの奥深さを表すような名文です。

他のレッスン本と異なった内容で、現在においても読みごたえのある『アマチュアゴルフ』ですが、残念ながら絶版となっています。読むには大岡昇平の全集(※死後刊行された筑摩書房版)か古本を手に入れるほかはありません。幸い1987年に文庫本として復刊しているので、そちらは比較的手に入りやすいと思います。

日本のゴルフが始まって100年余り。ゴルフの歴史を知る上でもこうした著作にもっと注目が集まっても良いのではないかと思います。



<関連リンク>
大岡昇平 『アマチュアゴルフ』(Amazon.co.jp)
大岡昇平 『ながい旅』(Amazon.co.jp)
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