優勝を左右する「アーメンコーナー」に注目を
12番ホール「Golden Bell」。距離が短いにも関わらず世界でも有数の難易度を誇る名物ホール |
特に特筆されるのがグリーンの難しさです。非常に硬く、スピードも非常に速く設定されたグリーンは、フェアウェイ同様の強烈な起伏と相まって、予測もつかないほどボールが曲がるなど大変難易度が高くなっています。世界のトッププロが集結するマスターズでも、ピンとは全く異なるあさっての方向に転がってしまったり、大きくオーバーしてグリーンをはみ出してしまうなど考えられないミスが頻発。高度な読みと極めて繊細なタッチが要求されるオーガスタのグリーンは、多くのゴルファーに畏怖の念から“ガラスのグリーン”と呼ばれています。
TV観戦では、グリーンの起伏を十分に感じることは難しいですが、パッティングされたボールのスピードに注目するとそのグリーンの速さが良くわかります。また触っただけでとめどなく転がっていくボールなどというシーンも多く目にすることになるでしょう。
またコースに吹く風も特徴です。単なる強風とは違い、くるくる変わる風向きを読んでショットしなければならないといわれています。特に有名なのは、12番ホール「Golden Bell」。155ヤードという短いショートホールで、トッププロであれば簡単にバーディーチャンスにつけられる距離でありながら、風向きの一定しない強風が吹き世界でもっとも難しいホールのひとつに数えられるほど。これまで多くの選手が上位にいながら、この短いショートホールで池に落として優勝戦線から脱落しました。
この12番を含む11番ホールから13番ホールまでは、池に向かって打つ難易度の高いショットが要求されるため、打ったあと神に祈るような気持ちになることから「アーメンコーナー」と呼ばれています。
優勝争いが佳境を迎える最終日のバック9。特に13番ホール「Azalea」は、セカンドショットを池に落とす確率が高いわりにイーグルも多いホールでもあり、「アーメンコーナー」は優勝の行方を左右する舞台として注目されます。TV解説などでも前置きなく使われることの多いマスターズ観戦のキーワードなので、是非覚えておきましょう。