シャフト長尺化のトレンドへ
今回の「ザ・ゼクシオ」と、前作「ALL NEW XXIO 460」を比較してみましょう。最も大きな違いは、シャフトの長さが45.75インチと長くなった事です(※前作は45インチ)。「ドライバー長尺化は、トレンドになるか?」でも指摘したように、フェースの反発が制限された今日、シャフトの長さを伸ばす事は飛距離アップの有効な手段です。
しかし、シャフトが長くなる事に拒否反応を示すゴルファーは多いもの。「ザ・ゼクシオ」はただシャフトを伸ばすだけでなく、総重量も少しだけ軽めにして、クラブを持ったときの感じを45インチと変わらないように設定されています。ここは大変重要なポイントで、重量に配慮せずにシャフトを伸ばすと、どうしても道具としてバランスの悪いものになりがちです。
また後述しますが、同じヘッド体積でも形状を変化させヘッドを大きく見せたり、シャフトに横の線を入れ、視覚的に短く見えるように工夫されています。たった0.75インチ伸ばすために神経質とも思えるほどのゴルファーへの配慮を感じます。
2000年に発売された初代ゼクシオ「XXIO TOURSPECIAL」。全てはここから始まった |
同じフレックスで比較すると、シャフトの硬さが前作より少し硬めになっているよう。昨今の日本のクラブは、同じフレックスでも少しずつ軟らかくなっている傾向があります。5年前、10年前のクラブと比較すると、同じRシャフトでも硬さが軟らかくなっているのです。シャフトの硬さが軟らかくなっている傾向は、またの機会に紹介するとして、今回の「ザ・ゼクシオ」は、そうした昨今の傾向に逆行するものとして注目されます。
シャフトの硬さが硬くなっている理由を推測すると、恐らくシャフト長が長くなっている事に関連しているのでしょう。シャフトが0.75インチ長くなれば、体感するシャフトの硬さはかなり軟らかくなります。あくまで振った感触がこれまでと変わらないことを意図して、そのような設計になったものと思います。