その評価基準とは?
もう一点あげるとすれば、それは、岩間プロの評価基準です。もともとこのシリーズは、岩間プロの歯に衣着せぬ辛口評価が人気となったのですが、その評価には一定の基準が通底していることが本を読めばわかります。それは、高く評価されているクラブは、「スライサー」にやさしく、「ミスショットへの許容範囲が広く」、「ボールが浮きやすい」。そして「万人向け」であるという特徴を持っているということです。そのため特に初期は、プロモデルなど上級者向けのクラブの評価が押しなべて低かったのです。
ゴルファーの大部分がスライサーであるといわれる事情を考えると当然の評価基準ですが、高い評価を得ているクラブも持ち球がフック系のゴルファーや、ボールが上がりすぎて飛距離をロスしている腕力のあるゴルファーには合わない可能性が高いのです。
ゴルフクラブ選びにとって重要なのは、自分のスイングに合っているかという点。試打企画などの他人の評価は参考程度に留め、自分のスイングやゴルフスタイルとマッチするかが、最も重要な評価基準であるべきです。最終的に判断するのは常に自分で、そこには腕の良し悪しは関係ないはず。
この本に限らず、試打によるクラブ評価はその裏にある評価者の判断基準をいつも考慮に入れておいてください。うっかり上級者のシビアな基準を鵜呑みにしては大変ですから……。
ガイドの個人的感想
過去の『間違いだらけのゴルフクラブ選び』では、評価の悪いクラブは本当に悪く書かれていました。「何のために作ったのかわからない」といった厳しいニュアンスの評価も多く、評価されるクラブメーカーの方は大変だなと感じていましたが、そうした点も読む側には面白く、このシリーズの大きな魅力の一つでした。ところが、最近の目覚しいゴルフクラブの性能の進化によって、悪く書かれるクラブが極端に減少。打ってみて結果の悪いクラブが劇的に少なくなったものと思われます。それ自体は喜ばしいことですが、その性能を絶賛されているクラブの多い2007年度版を読むにつけ、本当に極悪な評価を下されるようなクラブも中にはあってもいいのでは?と感じました。「万人向け」でないそのクラブが、ばっちりマッチするゴルファーもきっといるはずですから。
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