アート・美術展/アート・美術展関連情報

2006年6月の展覧会・イベント情報(2ページ目)

毎月おすすめの展覧会・イベント情報をお届けします。2006年6月は吉原治良展、アフリカ・リミックス展、束芋展、ICCリニューアル&イベント情報をお届けします。

執筆者:橋本 誠

アフリカ・リミックス 展

サミュエル・フォッソ
《シリーズ・タティ(セルフ・ポートレイト 2):入植者たちにアフリカを売った酋長》サミュエル・フォッソ/1997年
タイプCプリント/101×101cm
ポンピドゥ・センター、パリ国立近代美術館(C)Samuel Fosso
森美術館で開催中のアフリカ・リミックス展は、これまでにない大規模なスケールでアフリカの現代美術を紹介する展覧会です。

多種多様な文化・民族からなる広大なアフリカ大陸より、25カ国84名のアーティストが出品。絵画、彫刻、インスタレーション、写真、ビデオ、デザイン家具など様々な作品が展示されています。

私はひと足先に展覧会を見させていただいたのですが、展示は国別ではなく、「1.アイデンティティと歴史」、「2.身体と魂」、「3.都市と大地」という3つのテーマで構成されていました。

「1.アイデンティティと歴史」のセクションで展示されているジェーン・アレクサンダー作の《アフリカの冒険》は、動物の顔立ちをしつつも2本足で立ち、衣裳をまとった姿が人間を思わせる彫刻が、土の敷かれた展示室にいくつもたたずむインスタレーション。

それぞれの動物が、潤んだ目でどこか別々の場所をじっと見つめる姿や、たくさんの農工具やトラクターのミニチュアを引きずる人間(と思われる動物)の姿が、アフリカの物悲しい過去を静かに連想させる作品でした。

ジェーン・アレクサンダー《アフリカの冒険》
《アフリカの冒険》ジェーン・アレクサンダー/1999-2002年
ミクスト・メディア インスタレーション
Courtesty:artist(C)Jane Alexander(photo:Mark Lewis)

エメ・ンタキィカ
《WIR》(3点のうちの1点)エメ・ンタキィカ/2003年
タイプCプリント/104.5cm×157.5cm
Courtesty:artist
他にも、ヨーロッパの民族衣装を着た黒人が写った写真の作品や、武器の形をしたオブジェを組み合わせて別の形に作りかえた作品、アフリカのミュージックバーをイメージして家具やオブジェ、ジュークボックスを配置した空間など、様々な作品を見ることが出来ました。

貧困、疫病、内戦、飢餓、またそれによって正当化されたかつての植民地主義がアフリカに残した傷跡──。

これらの背景を感じさせるような重々しい作品から、過去にしばられることのないエネルギッシュな作品まで、音楽で言うリミックスのごとくに、多様な作品が効果的に入り乱れ構成されている展覧会です。



【アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術 展】
■会期   2006年5月27日(土)~8月31日(木)
■会場   森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
■開館時間 10:00~22:00(入館は21:30まで)
        毎週火曜日は17:00まで(入館は16:30まで)
■入館料  一般 \1,500(当日)
        高校・大学生 \1,000(当日)
        子供(4歳以上~中学生) \500(当日)
■問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
■主催  森美術館/読売新聞東京本社

詳しくは森美術館ホームページにて。

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