アート・美術展/アート・美術展関連情報

新しい表現が集う<文化庁メディア芸術祭>

アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガなどメディア芸術を表彰し広く紹介する<文化庁メディア芸術祭>をレポート。

執筆者:橋本 誠

文章:橋本 誠(All About「アート・美術展」旧ガイド)

最新のメディア芸術を一同に紹介

<文化庁メディア芸術祭>会場風景
<文化庁メディア芸術祭>会場風景
様々なメディア芸術作品が一堂に紹介された

2月24日から3月5日まで、東京都写真美術館にて<文化庁メディア芸術祭>が開催されました。

<文化庁メディア芸術祭>は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガなど優れたメディア芸術作品・作者を表彰し、広く紹介していくメディア芸術の祭典です。

表彰はデジタル技術を用いて作られた作品を対象とした「アート部門」、ゲーム、遊具、CM映像などを対象とした「エンターテインメント部門」、アニメーション、デジタル映像作品を対象とした「アニメーション部門」、4コママンガやオンラインマンガも含めた「マンガ部門」の4部門から成ります。

今年で第9回目を迎えるこの芸術祭は、テクノロジーを駆使したアート作品や、マンガやアニメなど広い意味での芸術作品が一同に介し、最新の動向がうかがえる年に一度の数少ない機会です。

今回は、部門ごとに私が気になった作品を紹介しながらイベントの全様をレポートいたします!

触って楽しめる作品が面白い「アート部門」

デジタル技術を用いて作られたアート作品/インタラクティブアート、インスタレーションなどが対象の「アート部門」。大掛かりな装置を用いたものからひとつのPCディスプレイの中で表現されるものまで、様々な作品が展示されていました。

《Khronos Projector》
《Khronos Projector》(c)Alvaro Cassinelli
触った部分の景色だけが変化する
私がまず引きつけられたのはAlvaro Cassinelli(アルバロ・カシネリ)による作品《Khronos Projector(クロノスプロジェクター)》。この作品は、伸縮性のあるスクリーンに街の風景が映像投影されており、観客が触った部分だけがタイムスリップしたように異なる時間軸に変化します。たとえば、昼の景色が映されていたら、触った部分だけが夜の景色に変化するのです。発想が斬新なだけではなく完成度も非常に高い作品で、観客の人気を集めていました。(アート部門大賞作品)

《メディアアートの寓意》
《メディアアートの寓意》(c)津島岳央
フェルメールの絵画を3D体験できる
次に、津島岳央・作《メディアアートの寓意》。この作品はフェルメールの絵画に描かれた空間を3D技術により再現し、ステレオ立体装置によって鑑賞するもの。装置を操作することで、絵画空間の中を動き回るような視覚体験ができます。一度2次元に封じ込めた3次元の世界をデジタル技術によって再び3次元に読み直すという、ユニークなコンセプトの作品です。(アート部門推薦作品)

他にも、望遠鏡の中で映像を擬似的に生成して見ることができる村上史明・作《Spyglass(スパイグラス)》、叩くと表示されている映像が叩き方に合わせて変化してしまうMark HAUENSTEIN(マーク・ハウエンシュタイン)作《OiTV(オーアイティービー)》など触って楽しむことができる作品が多く紹介されていました。

次のページは、「エンターテインメント部門」!
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